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上級国民/下級国民


上級国民/下級国民 (小学館新書)

満足度★★★
付箋数:23

「上級国民/下級国民」という分類は、
非常に差別的で、ネットの世界では
好まれそうな表現です。

これは一種の階層論です。

階層論としてよく知られるのは、
支配階級のブルジョアジーと
労働階級のプロレタリアートに
分類したマルクス主義です。

それに対して、「上級国民/下級国民」
という分類は、更に絶対的・根源的で、
階級闘争にさえならない分類のように
思えます。

  「現代社会では “エリート” や “セレブ” 
  は “努力して実現する目標” です。
   “上層階級(アッパークラス)/
  下層階級(アンダークラス)” は
  貴族と平民のような前近代の身分制を
  表していましたが、その後、階級
  (クラス)とは移動できる(下流から
   “なり上がる” )ものへと変わりました。
  それに対して “上級国民/下級国民” は、
  個人の努力がなんの役にも立たない
  冷酷な自然法則のようなものとして
  とらえられているというのです。
  いったん “下級国民” に落ちてしまえば、
   “下級国民” として老い、死んでいく
  しかない。幸福な人生を手に入れられる
  のは “上級国民” だけだ――。」

本書は、「上級国民/下級国民」という
分断をテーマにした社会論の本です。

著者は、最近では『言ってはいけない
シリーズがベストセラーになっていた
橘玲さんです。

本書は、元々、日本生物地理学会の
市民シンポジウムとして行われた
「リベラル化する社会の分断」という
橘さんの講演内容をに書籍化したもの。

ですから、入口は「上級国民/下級国民」
になっていますが、大きなテーマ
としては、リベラル化による分断に
なっています。

まずは、現代の世界では、国や歴史、
文化、宗教が違っても、どこも似た
ような社会になってきていること。

その中で、「上級国民/下級国民」の
ような、新たな階層の分断が生まれて
いるのです。

そのような社会の中で、どのようにして、
生き延びていけばいいのでしょうか?

橘さんは、大きく2つの人生戦略を
提案しています。

1つは、高度化する知識社会に最適化
した人的資本を形成する戦略。

具体的には、データサイエンティストや
エンジニアとしての専門性を高めていく
生き方です。

もう1つは、SNSで多くのフォロアーを
集めて、その「評価資本」をマネタイズ
していく戦略です。

フェイスブック、インスタグラム、
ツイッター、ユーチューブなどから
収入を得ていく生き方です。

たとえ、社会の中で解決できない
階層の分断が起こっていても、
個人としては解決できるというのが、
橘さんの考えです。

  「私たちがどのような社会に生きており、
  そこでなにが起きていて、これから
  どのような世界がやってくるかを
  (かなりの精度で)予測できれば、
  自分と家族が生き延び、幸福な人生を
  手に入れるのにきっと大きな助けに
  なるでしょう。」

本書でも、橘さんはいつものように、
様々な論文やエビデンスを集めてきて、
帰納法的に結論をまとめています。

それが、身も蓋もない話になることは、
実は最初から織り込み済みです。

ですから、そこに至る過程を楽しむ本
だと個人的には思います。

この本から何を活かすか?

階層論とは別の話ですが、若い女性の
「エロス資本」についても、本書は
言及していました。

  「若い女性は大きな “エロス資本
  (エロティック・キャピタル)” を
  持っており、それを資本市場で
  マネタイズ(換金)している。
  (中略)
  女性のエロス資本は年齢によって
  大きく変動し、10代後半からの
  10年間で最大になって、それが徐々に
  減っていき、それが35歳を過ぎると
  ほぼ消滅します。」

これも「言ってはいけない」ことの
1つなのだと思います。

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