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1970年体制 「縮み志向」が日本経済を停滞させた


1970年体制 「縮み志向」が日本経済を停滞させた

満足度★★★
付箋数:23

日経BP社の山崎さんより献本頂きました。
ありがとうございます。

少子高齢化による労働力不足や年金問題、
原発事故を起点にしたエネルギー問題、
モラルなき政治家による混迷・・・。

こららの令和の時代になっても、
日本を悩ませている構造的な問題は、
つい最近、降って湧いたものでは
ありません。

実は、令和の時代の社会問題は、
今から50年前、1970年代から指摘されて
いたことでした。

終戦後、どん底の状態だった日本は、
人口増、円安、世界経済の拡大などの
追い風に乗って、世界が驚くほどの勢いで、
奇跡的な復興を遂げました。

しかし、およそ20年近く続いた高度成長は
1973年に終わり、日本は大きな転換点を
迎えます。

円高、原油高、人口減と少子高齢化、
中国など新興国の台頭・・・・

日本経済を取り巻く環境は1970年代を
境に急変しました。

この時、日本では抜本的な改革を
先送りし、企業はリスクを避けるだけの
減量経営に走りました。

それ以来、日本に染み付いてしまったのは、
縮小均衡の「縮み思考」でした。

つまり、今日まで続く日本の長期低迷は、
「縮み思考」による人災とも言えます。

  「本書の出発点は、1990年のバブル崩壊
  以降、日本経済はなぜ成長力を失い、
  停滞を続けているかに改めて迫るところ
  にある。(中略)
  見えてきたのは、73年まで20年近く
  続いた黄金の高度成長期が同年の
  石油危機、変動相場制移行という
  大変動から一変した日本経済の姿
  だった。日本企業、政官は抜本的な
  改革ができず、その対応力のなさが
  後の時代まで続いたのである。」

本書は、「失われた30年」以降も、
低迷を続けている日本経済の根本的な
原因を探り、解決の糸口を見つけようと
する本です。

著者は、日経ビジネス編集委員で、
日経トップリーダーの編集委員でもある
田村賢司さんです。

田村さんは、日本経済は危機に直面
するたびに、同じ対応で生き残ろうと
してきたと考えます。

その同じ対応が「縮み思考」です。

これは1970年代に芽生えて、日本人の
思考法や行動様式に根付いてしまったと
指摘しています。

本書では、縮み型の思考法や行動様式が
なぜ、どのようにして生まれ、今日まで
続いているのかを多くの取材を重ねて
解明します。

一橋大学名誉教授の野口悠紀雄さん、
元通産事務次官の小長啓一さん、
ホンダ元副社長の入交昭一郎さん、
元ダイエー副社長の中内潤さん、
元松下電器産業社長の谷井昭雄さん、
日本電産会長CEOの永守重信さん・・・

ここにはすべての名前を書ききれませんが、
本書では、当時を知る十数名の方から
証言を取り、1970年体制が生まれた経緯を
読み解いていきます。

この取材の部分が本書の大きな特徴で、
私たちが学ぶべき貴重な証言でもあります。

本書には、今こそ抜本改革が必要なことを
改めて考えさせられる説得力があります。

変われなかった、50年を終わらせるために、
是非、読んでおきたい本です。

 第1章 1970年代に根付いた縮小均衡思考
    が今も続く
 第2章 リーダーは何を変え、何を変え
    られなかったのか
 第3章 日本企業の挑戦と挫折
 第4章 令和に先送りされた構造問題
 第5章 アベノミクス超え、新経済モデル
    構築へ何が必要か

この本から何を活かすか?

小泉純一郎首相時代に鳴り物入りで
行われた郵政民営化。

その後、実態としてどうなったのか?

本書では、日本郵政公社初代総裁の
生田正治さんへの取材を行っています。

  「規制緩和のような既得権と戦う
  改革はプランと実行が大事なのですが、
  それが07年の民営化以降、進まなく
  なりました。それどころか明らかに
  後退しています。」

やはり、郵政の民営化は骨抜きにされ、
国民の利便性は向上していないようです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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