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君たちが忘れてはいけないこと: 未来のエリートとの対話


君たちが忘れてはいけないこと: 未来のエリートとの対話

満足度★★★★
付箋数:27

2016年7月に刊行された、佐藤優さんの
君たちが知っておくべきこと』。

これは、灘高生が佐藤さんの仕事場を
訪れて受けた、「先輩訪問行事」での
特別授業をまとめたものでした。

  「私は灘高の卒業生ではない。
  従って、本来は “先輩訪問行事” の
  対象にならないはずだが、なぜか
  灘高生は私に関心を持ち続けてくれる。」

本書は、それに続く第2弾です。

前著も素晴らしい本でしたが、
今回はそれをさらに上回る対話集に
仕上がっています。

まずは、灘高生の質問のレベルの高さに
驚かされます。

そして、それに全力で答える知の巨人。

佐藤さんの知識レベルが高いことは
周知の事実ですが、灘高生に刺激され、
より高いレベルの回答をしています。

まさに、知性と知性のぶつかり合い。

佐藤さんが単独で書く本以上に、
ほとばしる知性が感じられます。

  「灘高の生徒たちが学識においても
  人間性においても優秀であることは、
  本書を読んでいただければわかる。
  彼らは、先輩が過去に私と議論した
  ことを研究した上で、毎回、新たな
  論点を提示する。私は灘高の生徒たちが
  訪れる2、3週間前から、メモを作成して
  生徒たちとの討論に備える。」

回を重ねるごとに、更に高いレベルの
議論が行われいきます。

それは、佐藤さんも灘高生も、
お互いに前回の議論を踏まえて、
より深い準備をしているからです。

前著から続けて読むと、議論が正常な
進化を遂げていく過程もわかります。

本書の冒頭で、ロシアの政治家、
ゲンナジー・ブルブリスさんから
佐藤さんが教わったエリート像を
紹介しています。

ブルブリスさんは、エリツィン政権初期
の国務長官で、ソ連崩壊のシナリオを
描いた戦略家。

彼が説くのは、ロシアにおける3つの
エリート像ですが、背景は少し違っても、
どこの国でも当てはまるでしょう。

第1は、旧来型のエリート。

ソ連共産主義体制のエリートで、
共産主義理念に忠実で、ソ連国家を
動かすノウハウを持っています。

しかし、新しい体制に適応する能力も
意志もありません。

第2は、偶然のエリート。

ソ連解体と新生ロシア国家の形成の
過渡期にたまたま、権力の中枢に入って
いたエリート。

彼れはもともと国家を動かす能力はなく、
偶然得た特権を失うことを恐れているので、
改革を推進する大きな障碍になります。

第3が、未来のエリート。

35歳以下で、ソ連体制の硬直した思考に
囚われておらず、外国語ができ、
国際基準の学術成果を吸収できる若者。

未来を切り開くには、このエリートを
育成していくことが最重要課題です。

ブルブリスさんが凄いのは、
自身が第2のエリートであることを
自覚していること。

更に、第3のエリートに権力を渡さ
なくてはならないことも認識している
ことです。

この3つのエリート像は日本にも、
当てはまります。

もちろん、本書に登場する灘高生は、
第3の未来のエリートです。

個人的には、国家と言わずとも、
改革を迫られる企業においても、
この3つのエリートが存在するように
思えました。

本書は、2016年、2017年、2018年の
それぞれ4月に、灘高生が佐藤さんの
職場に訪れた際の対話を収録したもの。

各回のテーマは以下の通りです。

 1. ファジズムは僕らの周りにある
 2. モラルとモラールを持って生きよ
 3. AIと正しく付き合うために

知識に貪欲な未来のエリート達は、
幸運なことに、佐藤さんという
国内最高の教師を見つけました。

そして、貪欲に自分たちの好奇心を
佐藤さんにぶつけていく様は、
読んでいて鳥肌が立ちました。

この本から何を活かすか?

ラグビーを象徴する言葉として知られる
「One for all, All for one」。

この言葉の本当の意味をご存知ですか?

「1人は万人のために、万人は1人のために」
という意味ですよね。

実はこの言葉は、イタリア・ファシズム
で使われたスローガンでした。

小さい頃からこの考えを刷り込んで、
再配分の思想を植え付けるためのもの
だったようです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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| 人生論・生き方・人物・哲学 | 05:58 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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