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ikadoku

ビジネス書・ベストセラー本・科学本を中心に13年以上、ひたすら本を紹介し続けるブログ。既に紹介した本は3700冊以上。

事実 vs 本能 目を背けたいファクトにも理由がある

2019年08月28日
ビジネス一般・ストーリー 0

事実 vs 本能 目を背けたいファクトにも理由がある

満足度★★★★
付箋数:24

  「事実(ファクト)を無視した議論に
  つき合うのは、人生という貴重な時間
  のムダでしかありません。
  殺人などの事件数でも、交通事故の
  死亡者数でも、現在の日本がかつてない
  ほど安全な社会であることはまちがい
  ありません。このことは20年以上前
  から社会学者などにより繰り返し
  指摘されていますが、それでも8割以上
  のひとが “社会はますます危険になり、
  安全が脅かされている” と感じています。
  事実(ファクト)とは無関係に
  体感治安だけが悪化していくのには
  さまざまな理由があるでしょうが、
  もっとも重要なのは “社会がますます
  安全になった” ことでしょう。」

私たちの本能は、不都合な真実を避け、
見たいものだけを見てしまう傾向が
あります。

しかし、本能だけでは、今の残酷な
知識社会を生き抜いていくことが
できません。

私たちに求められていることは、
本能を乗り越え、目を背けたくなる
事実(ファクト)にしっかり目を向け、
正しい判断をすることなのです。

  「世の中には、縮尺や方向のちがう
  地図を手に右往左往しているひとが
  (ものすごく)たくさんいます。
  そんななかで、正しい地図をもって
  いることはとてつもなく有利です。
  これが事実(ファクト)にこだわら
  なければならないいちばんの理由です。」

本書は、橘玲さんが週刊プレイボーイに
連載していたコラムから「事実VS本能」
を扱ったものを中心にまとめた本です。

本書の「まえがき」からPart0では、
もっと言ってはいけない』で扱った、
OECD加盟国の国際成人力調査PIAACが、
再度取り上げられています。

これは、「日本人のおよそ3分の1が
日本語が読めない」などの、驚くべき
事実を示したものです。

Part1からPart4は、週刊プレイボーイ
での時事ネタを扱ったコラムです。

そのため、1つ1つのテーマはかなり短く
まとまっていて、連載時以降に判明した
事実は、「後記」が追加されています。

Part5では、日本の社会を理解するうえで
重要な事実を明らかにした研修を紹介
しています。

個人的に驚いたのは、統計の基本を
全く知らない「専門家」が、大手を振って
はびこっていることです。

橘さんが、「実子よりも継子の方が
虐待を受ける頻度は遥かに高い」
ことをコラムに書いたところ
的はずれな批判があったそうです。

それは厚生労働省所管の専門委員会に
よる調査結果を根拠にしたものでした。

その調査では、虐待の主たる加害者が、
実母が26人(50.0%)、実父が12人
(23.1%)と結論づけています。

調査の実数としてはそうですが、
実子と一緒に住む実母・実父の割合と、
継子と一緒に住む継母・継父の割合を
無視して、虐待の主たる加害者を
特定しているのは凄いところです。

  「不思議なのは、 “専門” 委員会が、
  小学校高学年でも知っていそうな統計の
  基本を無視して虐待の “主たる加害者” 
  を特定しています。
  ゴミを入れればゴミしかでてこないのは
  当たり前です。データ分析がまちがって
  いるのに、どうやって虐待という深刻な
  問題を解決できるというのでしょうか。」

こういった間違えを見つける橘さんの
慧眼はさすがです。

それと同時に、日本の専門家の本当の
レベルを知ると愕然とせざるを得ません。

この本から何を活かすか?

本書では、世界的ベストセラーになった
ハンス・ロスリングさんの
FACTFULNESS(ファクトフルネス)』に
ついて、「まえがき」と「あとがき」の
両方で言及しています。

橘さんは、かなり共感する部分があった
と推察できますが、それも納得できます。

当ブログでは、2019年に8月末時点で
今年150冊以上の本を紹介しています。

その中で、2月25日の記事で紹介した
FACTFULNESS(ファクトフルネス)』は、
私からも一番のオススメ本です。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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ikadoku
この記事を書いた人: ikadoku
毎朝4時に起きて本を読み、13年以上ブログで紹介記事を投稿しています。北海道在住。たまに旅行で長期の休みを取ります。

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