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ikadoku

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ニュータイプの時代 新時代を生き抜く24の思考・行動様式

2019年08月07日
仕事論 0

ニュータイプの時代 新時代を生き抜く24の思考・行動様式

満足度★★★★
付箋数:26

  「本書のメッセージをまとめれば、
  次のようになります。
  20世紀の後半から21世紀の初頭にかけて
  高く評価されてきた、従順で、論理的で、
  勤勉で、責任感の強い、いわゆる
   “優秀な人材” は、今後 “オールドタイプ” 
  として急速に価値を失っていくことに
  なるでしょう。
  一方、このようなオールドタイプに対置
  される、自由で、直感的で、わがままで、
  好奇心の強い人材= “ニュータイプ” が、
  今後は大きな価値を生み出し、評価され、
  本質的な意味での “豊かな人生” を
  送ることになるでしょう。」

本書は、これからの時代を生き抜くために、
私たちの思考や行動様式をアップデート
するための本です。

著者は、『世界のエリートはなぜ
「美意識」を鍛えるのか?
』で話題になった
独立研究者の山口周さんです。

まず、私たちに求められるのは、
20世紀に良しとされた価値観を捨てる
ことです。

その1つが、マルコム・グラッドウェルさん
が『天才! 成功する人々の法則 』の中で
提唱した「1万時間の法則」です。

これは、「1万時間の練習を積み重ねれば、
あなたも一流になれます」という法則です。

しかし、山口さんは、これは子どもが
よくやる「逆の命題」のミスと指摘して
います。

 [命題1] 天才モーツアルトも努力していた

この命題が真だとすると、これによって
導かれる「対偶」は何か?

グラッドウェルさんが導いたのは、
次の命題でした。

 [命題2] 努力すればモーツアルトのような
    天才になれる

これは命題の証明から考えると、
明らかな間違いであることがわかります。

正しくは、次の命題となります。

 [命題3] 努力なしにモーツアルトのような
    天才にはなれない。

つまり1万時間の練習は必要条件であって、
十分条件ではないことを意味します。

  「グラッドウェルの主張する “1万時間
  の法則” が、いかに人をミスリードする
  タチの悪い主張かということがよく
  わかります。」

ここで山口さんが言っているのは、
「努力することは無駄」ということでは
ありません。

オールドタイプの価値観では、
今いる場所で踏ん張って努力をします。

しかし、ニュータイプの価値観では、
勝てる場所にポジショニングしてから
努力をするのです。

これ以外にも本書では、次のような
思考・行動様式の変更を求めています。

 [オールドタイプ] → [ニュータイプ]
 正解を出す → 問題を探す
 予測する → 構想する
 KPIで管理する → 意味を与える
 生産性を上げる → 遊びを盛り込む
 ルールに従う → 自らの道徳観に従う
 1つの組織に留まる → 組織間を越境する
 綿密に計画して実行 → とりあえず試す
 奪い、独占する → 与え、共有する
 経験に頼る → 学習能力に頼る

山口さんが言っていることが、
すべて正解かどうかはわかりませんが、
1つ1つの説明は納得感の高いものでした。

個人的には過去の価値観を全否定する
必要はないと考えます。

しかし、過去の価値観だけでは、
これからの時代を生き抜いていけない
のも事実です。

本書は、新しい思考や行動様式を
手に入れるヒントになる本だと思います。

この本から何を活かすか?

ニュータイプのキャリア戦略とは、
どういうものか?

これまでの時代は、1つの分野に絞って、
そこで粘り強く努力して専門性を高める
ことが良いとされてきました。

しかし、今は何が「良い」かが、
試さないとわからない時代です。

そのため、ニュータイプに必要な
キャリア戦略は、とりあえず試して、
ダメならまた試すこと。

成功は確率論なので、大量に試して、
うまくいったものを残すのが正解。

そのため、時間が有限である以上、
「うまくやめる」ことも求められます。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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この記事を書いた人: ikadoku
毎朝4時に起きて本を読み、13年以上ブログで紹介記事を投稿しています。北海道在住。たまに旅行で長期の休みを取ります。

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