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ikadoku

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NETFLIX コンテンツ帝国の野望 :GAFAを超える最強IT企業

2019年08月06日
ビジネス一般・ストーリー 0

NETFLIX コンテンツ帝国の野望 :GAFAを超える最強IT企業

満足度★★★
付箋数:24

本書には、2つの意味で裏切られました。

1つは、ネットフリックスに関して、
1997年の創業から2012年までの期間
だけしか、書かれていなかったこと。

冒頭で「日本語版特別寄稿」として、
ネットフリックスの2012年~2018年の
動きがフォローされています。

しかし、あくまで本文は2012年までの
同社の動きについてです。

なぜなら、原書が米国で刊行されたのが、
2012年だったからです。

本書は、オリジナルが刊行されて、
6年を経てからの邦訳となりました。

もう1つの裏切りは、ネットフリックスの
創業物語が、想像以上にエキサイティング
だったことです。

創業してからの数年間でネットフリックスの
カルチャーは出来上がりました。

それはその後に起こる熾烈な競争に
打ち勝っていくものでした。

本書で語られるスタートアップしてからの
物語なくしては、現在、GAFAを超える存在
とも言われるネットフリックスについて、
語ることはできません。

逆に、この創業の物語を知っていれば、
現在のネットフリックスの躍進は、
「やっぱりね」と、十分に予想できた
かもしれません。

本書には2つの意味で裏切られましたが、
良い意味ので裏切りの方が、圧倒的に
大きかったと言えます。

  「多くの成功物語と同じように、
  世界最大のオンライン映画レンタル会社
  ネットフリックスの創業の物語も、
  多少の事実を織り交ぜた面白い作り話
  で出来ている。これに対して冒頭の
  エピソードは真実に近い。
  会社の公式説明によれば、ヘイスティング
  は地元のビデオレンタル店で延滞料金を
  請求されたのをきっかけに、
  後日スポーツジムでランニング中に
  サブスクリプションモデルを思い付いた。」

ネットフリックスのすべての始まりである、
冒頭のエピソードの部分は、ここでは
あえて紹介しませんでした。

ぜひ、本書を手に取って読んでください。

ネットフリックスはいかにして、
動画配信の覇者になりえたのか?

その秘密は、創業の物語の中にあります。

物語の主人公は共同創業者の
リード・ヘイスティングスさんと
マーク・ランドルフさんです。

2人は創業した当時、すでに社会経験を
積んでいたので、学生がガレージで始めた
スタートアップとは異なります。

それが本書の面白さの1つでもあります。

2人は、1998年にはウェブサイトでの
DVDレンタルを開始。

そして、その翌年には定額制のレンタル
サービス「マーキー・プログラム」を
始めます。

これにより、当時レンタル会社の
最大の収入源だった「延滞料金」を
捨てることになります。

サブスクリプションでは先行したものの、
2000年を過ぎてDVDの価格が下がり、
ウォルマートなども市場に参入し、
過酷な価格競争に突入します。

そしてネットフリックスは2007年から
事業の主軸をDVDレンタルから、
ビデオ・オン・デマンド方式での
ストリーミング配信サービスに転換。

これを機に大きく躍進し、アメリカでの
インターネット通信量の3分の1を
同社が占めるようにまでなっていきます。

本書は、フリージャーナリストの
ジーナ・キーティングさんの処女作。

入念な取材と、その筆力によって、
ネットフリックス創業物語の、
空気感と興奮した様子を伝えます。

この本から何を活かすか?

本書の各章のタイトルが映画の
タイトルになっています。

 第1章 暗闇でドッキリ
 第2章 続・夕陽のガンマン
 第3章 黄金狂時代
 第4章 宇宙戦争
 第5章 レオン
 第6章 お熱いのがお好き
 第7章 ウォール街
 第8章 キック・アス
 第9章 我等の生涯の最良の少年
 第10章 帝国の逆襲
 第11章 Mr.インクレディブル
 第12章 真昼の決闘
 第13章 大脱走
 第14章 勇気ある追跡
 第15章 ニュー・シネマ・パラダイス

このタイトルに内容がうまく
マッチしているのが素晴らしい。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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この記事を書いた人: ikadoku
毎朝4時に起きて本を読み、13年以上ブログで紹介記事を投稿しています。北海道在住。たまに旅行で長期の休みを取ります。

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