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なぜ人は騙されるのか-詭弁から詐欺までの心理学


なぜ人は騙されるのか-詭弁から詐欺までの心理学 (中公新書)

満足度★★★
付箋数:23

  「もちろん本書は騙す側に味方
  しようというものではない。
  騙される側、いや、そうした恐れの
  ある側の立場に立つ。様々な怪しげな
  言動につけ込まれる際の心理過程が
  理解できれば、 “安易に言いくるめ
  られないためには、騙されない
  ためには、いかに注意すべきか” 
  ということも明らかになるだろう。」

著者の岡本真一郎さんはこのような
希望を書いています。

しかし、そうは言っても本書は、
これから詐欺を働こうと考えている
輩にとっても、騙しのテクニックを
体系的に学べる教科書になります。

これまで経験則でやってきた詐欺師に
とっては、自分の手法の効果を高める
手助けになるかもしれません。

さて、いくら注意喚起されても
なくならない「オレオレ詐欺」。

オレオレ詐欺に、引っ掛かってしまう
理由として、「脅し」の効果があります。

これは「防護動機理論」として、
知られています。

オレオレ詐欺師たちは、防護動機理論
を使って、高齢者を騙しているのです。

防護動機理論の説得効果は、
2つの要因に分解されるようです。

1つ目は、脅威評価。

このまま不適切行動をしているときに
もたらされる結果の深刻さ、および
その生起確率と、不適切行動を続ける
ことによる報酬との差で評価します。

2つ目は、対処評価。

説得されたやり方に従うことで
達成できる効果と、それが自分で実行
できるという感覚と、自分が実行する
のにかかる負担の差で見積もられます。

これら2つの要因で「防護動機」が、
決定されます。

例えば、脅しで「禁煙」を迫る場合。

脅威評価は、病気の深刻さとその確率
の見積もりから、喫煙によるストレス
解消の見積もりを差し引いたもの。

対処評価は、禁煙によって病気の
危険性がどの程度減らせるという
見積もりから、禁煙する苦痛の度合い
を差し引いたものになります。

喫煙による病気の危険性を軽く見る
人には、喫煙がガンや心臓病などの
リスクを高める客観的なデータを
見せます(脅威評価)。

これまでさんざん吸ってきたので、
今更禁煙しても無駄と考える人には、
今からでもやめれば、リスク軽減に
相応の効果がある客観的なデータを
示します(対処評価)。

騙しのメカニズのベースには、
このような説得の原理が働いています。

 第1章 説得する
   ー そのメカニズムを探る
 第2章 宣伝する
   ー 広告に惑わされる
 第3章 騙す
   ー 日常生活に潜む危険
 第4章 言い逃れる
   ー 詭弁を弄する政治家たち
 第5章 信じ込む
   ー フェイクニュースが跋扈する

本書の第4章と5章は、岡本さんの
政治的な見解がかなり入っています。

ここは好みが別れるところですが、
言語心理学からの冷静な分析とは、
言えない部分もあるように感じます。

この本から何を活かすか?

日本の「オレオレ詐欺」を英訳すると、
「ore ore」または「It’s me scams」
となります。

また、これとは別にアメリカにも
「grandparent scam」という
表現があります。

これこそ、まさにオレオレ詐欺と同じ。

騙すときに使われているテクニック
もそれほど変わりはありません。

政府や自治体から騙されないように、
注意喚起されているにもかかわらず、
全く減らないのはアメリカでも、
日本と変わらない状況ようです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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