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1本5000円のレンコンがバカ売れする理由


1本5000円のレンコンがバカ売れする理由 (新潮新書)

満足度★★★
付箋数:22

  「僕が力を尽くしてきたのは、両親が経営
  する株式会社野口農園と野口農園で生産
  するレンコンの価値を高めることです。
  中でも大きかったのが、1本5000円という
  超高級レンコンのブランディングです。
  レンコンは1本1000円ほどが標準的な
  価格ですから、単に5倍の価格で販売して
  いるわけです。」

本書は、民俗学者でありながらレンコン
生産農業にも従事する野口憲一さんが、
1本5000円のレンコンのブランド化に
成功するまでの物語を記した本です。

ブランド化と聞くと、マーケティング
を駆使した華麗なブランド戦略といった
イメージがありますが、本書の内容は
全く違います。

その真逆をいくような、非常に泥臭い、
個人的なストーリーです。

それは野口さんが、マーケティングの
専門家ではなく、内省的な民俗学の
研究者であったことも一因です。

農業が儲からないのは周知の事実です。

一方で、農業は「お金は儲からない
けれど、自然の近くで仕事ができる」
とか、「都市生活で希薄になった
人間関係を取り戻せる」などど語られる
ことがあります。

しかし、野口さんはこの農業の状況を
「やり甲斐搾取」だと考えています。

  「自然の近くで働くことができ、
  濃厚な人間関係を築くことができれば、
  それで満足なのか。僕は全くそうは
  思わない。やり甲斐があって収入がある
  仕事こそ一番でしょう。僕は農家でも
  やり甲斐と収入を確保できる社会を
  構想したいのです。」

そのために、野口さんが取った行動は、
農業の「生産性の向上モデル」との
決別でした。

これまでの日本の農業は、生産すれば
するほど、儲からなくなるシステムに
なっていました。

その負のループから抜け出すために、
必要だったのが、ブランド化です。

最終的に野口農園のレンコンは、
ニューヨーク、パリ、フランクフルト
などの高級和食屋で使われるブランドに
成長しました。

全く売れなかったレンコンが、
今ではバカ売れし過ぎて、注文を断る
ほどに人気が出たのです。

どのようにして、野口さんはレンコンの
ブランド化に成功したのか?

これは簡単なノウハウで語ることは
できません。

なぜなら、農家の悲しみを背負った結果、
なし得たことだからです。

  「結局のところ、1本5000円のレンコン
  がバカ売れするようになった理由は
  何なのか。その秘密は、実はたった1つ。
  両親はもちろん、顔も名前も知らない
  先祖が苦労して育ててきたレンコンを、
  何があっても安売りすることが
  できなかったからです。」

試行錯誤の末、逆張り戦略によって、
ブランド化に成功しているものの、
他の農家が同じようにブランド化する
ことは難しいように思えます。

それだけ背負っているものが重い
からこそ、本書は想いを秘めた物語
として読む価値があるのです。

本書は、既存のブランディング本とは、
一線を画する本でした。

 第1章 やり甲斐搾取が農業を潰す
 第2章 1本5000円レンコンを着想する
 第3章 物の売れる理由を考える
 第4章 「竹レンコン」を売る
 第5章 農家の哀しみを引き受ける
 第6章 農業には未来しかない

この本から何を活かすか?

農家が作りたい野菜を生産して、
売りたい価格で販売するために誕生した
「農産物直売所」。

当初は、物流コストもかからず、
消費者からみても画期的な試みでした。

しかし、ある程度時間が経つと結果的に、
農産物直売所も、単に「安売り競争の舞台」
になってしまいました。

これも今では、農業の「やり甲斐搾取」の
1つになっているようです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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