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「%」が分からない大学生 日本の数学教育の致命的欠陥


「%」が分からない大学生 日本の数学教育の致命的欠陥 (光文社新書)

満足度★★★
付箋数:23

あなたは、次の問題が解けますか?

 問)
  (販売個数や売上高などが)2000年に
  対して2001年は10%成長し、2001年に
  対して2002年は20%成長したとする。
  このとき、2000年に対して2002年は
  何%成長したことになるか。

これは大学生の半分以上が間違える問題
だと言います。

みんな間違えるから、できなくてもいい
レベルの問題ではありません。

ちなみに正解は、1.1×1.2=1.32
つまり1.0→1.32へ0.32増えているので、
「32%」の成長です。

誤答の最も多いパターンは、10%と20%
を足して、30%とする解答のようです。

「割合(%)」の根本的な意味を
理解していないと、そのように考えて
しまうのでしょう。

昨日、『世にも美しき数学者たちの日常
を紹介する記事を書きましたが、
そこに登場する数学者・数学好きの方
とは天と地の違いです。

  「本書のタイトルが示すように、
  本書では、現在、日本で “『%』が
  分からない大学生” が増えている
  現象に着目し、日本の数学教育が
  抱える根本的な問題を指摘したうえ、
  その解決に向けて思い切った提言を
  するものである。」

この問題に切り込むのは、桜美林大学
リベラルアーツ学群教授の芳沢光雄さん。

かつて出版された『分数ができない大学生
の執筆者の1人でもある方です。

芳沢さんが、まず注目したのは、
「は・じ・き」と「く・も・わ」の
蔓延でした。

これは、「速さ×時間=距離」と
「元にする量×割合=比べられる量」
の頭文字を取り視覚化した計算方法。

当てはめると答えが簡単に出る道具を
使うことが、根本的に理解することを
阻害しています。

  「私はここで声を大にして訴えたい。
  数学は一歩ずつプロセスを大切にする
  教科であり、答えを当てる教科ではない。
  そのような教科だからこそ、数学を
  通しての結論は世の中の人々に
  信頼されている。」

では、なぜ数学のプロセスが軽んじられ、
答えを当てにいく風潮になったのか?

芳沢さんは、その原因の1つに、
大学入試でマークシート式問題が
採用されたことを挙げています。

一部のマークシート式の数学問題では、
プロセスを無視して、答えを当てに行く
ことが可能になっているのです。

これらの問題の根底にあるのは、
日本の教育制度そのものです。

  「数学は暗記科目とは違い、一歩ずつ
  理解して積み上げなくてはならない
  教科である。しかし、学年別指導を
  基本とする現在の日本の教育では、
  理解の遅い生徒は “やり方” を優先する
  暗記だけの誤魔化した教育に慣れて
  しまう。このシステムを、一歩ずつ
  理解させる教育に移行させなければ
  問題の本質が改善されることはない
  だろう。」

数学は本来、皆が大切にしたい教科。

日本では「数学嫌い」の割合が、
他国に比べて高いことも、大きな問題。

中学生の「数学嫌い」の割合は、
国際平均が38%に対して、日本では、
59%にもなっているようです。

「数学嫌い」になってしまう前に、
手を打つ必要があります。

この本から何を活かすか?

本書では、「見直し力をチェックする」
問題が11問掲載されていました。

その中から1問だけ紹介します。

 問)
  あるコーヒー店では、コーヒー1杯の
  料金は税込で500円である。ただし深夜は、
  深夜料金として昼の1割増しに設定
  されている。ところがある日、この店は
  開業10周年記念として、1割引きの
  キャンペーンを行っていた。その日の
  深夜にコーヒー1杯を飲んで帰る
  お客さんは、1割増しの料金から1割引く
  ことになるので、結局500円を払えば
  よいことになるのだろうか。

これも割合の考え方が分かっていれば、
何てことのない問題ですね。

お客さんが払うべき正しい金額は、
500×1.1×0.9=495(円)となります。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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