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教養としての平成お笑い史


教養としての平成お笑い史 (ディスカヴァー携書)

満足度★★★
付箋数:24

本日、紹介するのは当ブログとしては、
異色の一冊です。

お笑い評論家のラリー遠田さんによる、
『教養としての平成お笑い史』。

  「本書では、14の “事件” を題材にして
  平成のお笑いの歴史を振り返っている。
  事件とひとくちに言っても、その当時に
  日本中を騒がせたような大事件もあれば、
  一部のお笑いファン以外には知られて
  いないようなマイナーな出来事もある。」

「事件」を取り上げているので、
お笑いでありながらネガティブな内容も
含まれています。

華やかに見えるお笑いの世界の裏では、
芸人の方たちは、血のにじむような努力や、
人知れず苦悩を抱えています。

表舞台で輝く「陽」の部分がより鮮やかに
浮かび上がるように、あえて歴史の「陰」
の部分に、遠田さんは注目したようです。

本書で紹介されているのは以下の事件です。

 平成4年 明石家さんま離婚
 平成6年 ビートたけしバイク事故
 平成7年 山田邦子、不倫報道で人気凋落
 平成9年 松本人志『ごっつええ感じ』降板
 平成10年 萩本欽一、長野五輪閉会式の司会
 平成12年 上岡龍太郎、引退
 平成15年 笑福亭鶴瓶、深夜の生放送で
     局部露出
 平成19年 有吉弘行、品川祐に「おしゃべり
     クソ野郎」発言
 平成19年 サンドウィッチマン『M-1』で
     敗者復活から優勝
 平成22年 スリムクラブ『M-1』で放射能ネタ
 平成23年 島田紳助、引退
 平成26年 タモリ『笑っていいとも!』終了
 平成27年 又吉直樹、芥川賞受賞
 平成28年 ピコ太郎『PPAP』が世界中で大ヒット

単に事件性のある出来事を並べたのでは
なく、そこからお笑いの歴史が変わった
出来事も含まれています。

私は、各事件に対する、遠田さんの締めの
コメントが、なかなか秀逸だと感じました。

明石家さんまさんの離婚については、
次のように語られています。

  「離婚後のさんまは、ただのアイドルでも
  なくただの芸人でもない、 “明石家さんま” 
  という1つのジャンルになった。(中略)
  現在もさんまが完全無欠の存在に見える
  のは、結婚期間という試行錯誤の時期が
  あったからだ。芸能人生で最大の危機を
  乗り越えたさんまは、平成の世に君臨する
  笑いの王となった。」

個人的に、完全に存在を忘れていたのは、
山田邦子さんでした。

  「山田邦子は、のちに出てくる女芸人の
  あらゆる要素を備えていたモンスター的
  な存在だった。ただ、優等生だった彼女は
  これまでどんな女芸人も達したことが
  なかったような高みまで上り詰めて
  しまったため、そこから落ちていくときの
  勢いもすさまじく、地道に撤退戦を
  戦い抜くことはできなかった。」

確かに、売れていた当時の山田さんの
好感度はものすごく高く、一発屋とは
違った形で、あらゆる番組に引っ張りだこ
でした。

まさに、それ以降に活躍する女芸人の道を
切り開いた逸材だったと言えます。

本書に、「教養」としての価値が
あるかどうかはわかりませんが、
平成の文化の象徴的な出来事を絶妙に
切り取っています。

もしかすると、芸人ではない評論家が、
お笑いを分析することに、抵抗がある方も
いるかもしれません。

しかし、そんな方でも、本書はお笑いの質
そのものよりも、価値観や時代の変化に
注目しているので、違和感なく読めると
思います。

個人的には、平成前半の出来事は、
非常に懐かしく読むことができました。

この本から何を活かすか?

遠田さんが、大きな事件と考えている
のが、有吉弘行さんの品川祐さんへの
「おしゃべりクソ野郎」発言でした。

これは、個人的には意外な考察でしたね。

  「歴史がイエス誕生の以前と以後に
  分けられるように、テレビの笑いの
  歴史も “おしゃクソ事変” の以前と
  以後に分けられる。あの瞬間から
  テレビは建前を捨てて、より本音志向
  になったのだ。」

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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