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続 ムダな医療


続 ムダな医療

満足度★★★
付箋数:23

日経BP社の日野さんより献本頂きました。
ありがとうございます。

あなたの受けている治療は、本当に必要な
治療でしょうか?

医療経済の分野では「誘発需要」という
言葉があります。

これは金銭的なインセンティブによって、
必要以上の医療行為が行われることです。

誘発需要は、医療ドラマで見にする
ことがありますが、実際の医療の現場でも
本当にあるようです。

また、金銭的な目的でなくても、
日本の医学の常識が世界とズレている
可能性は考えられないでしょうか?

本書は、室井一辰さん著で2014年6月に
刊行されて、大きな話題となった
絶対に受けたくない無駄な医療
の続編です。

そもそも「ムダな医療」とは何なのか?

これは3つのケースが考えられます。

1つ目は、デメリットがメリットを
上回るケース。

例えば、CT検査は得られる情報の価値より、
放射線被ばくによる発がんリスクの上昇
の方が問題視されています。

2つ目は、メリットがほぼゼロのケース。

例えば、細菌にしか効かない抗菌薬を、
ウィルス感染の治療に使うような場合です。

3つ目は、デメリットが大きすぎるケース。

例えば、延命治療などの良かれと思って
行った医療行為が、患者に無視できない
負担を強いる場合です。

厳密に言えば、2つ目と3つ目は、1つ目の
理由に含まれますが、わかりやすくする
ためにあえて3つに分けています。

では、その医療行為がムダとされる
根拠はどこにあるのでしょうか?

それは、「チュージング・ワイズリー
(Choosing Wisely)」という活動です。

直訳すると、「賢く選ぼう」という意味です。

チュージング・ワイズリーは、世界的に権威
のある米医学界が、「受けない方がいい」
と示している医療行為のリストです。

このリストに掲載されるのは、さまざまな
研究を経た結果、受けるメリットよりも
受けるデメリットが上回ると判断された
医療行為です。

室井さんが、このリストに初めて出会った
ときのことを次のように述懐しています。

  「その内容はまさしく “衝撃のリスト” 
  と表現するほかないものだった。
  日本の医療現場をくまなく取材し、
  全米の医学界の情報をチェックしている
  私でも、知らないものがたくさんあった。
  そして、その活動は日本では全く
  知られていない。」

室井さんは、このチュージング・ワイズリー
を元に、『絶対に受けたくない無駄な医療
を日本・韓国・中国・台湾で刊行しました。

実は、チュージング・ワイズリーは
現在進行中の活で、室井さんが前著を書いた
後にも、「ムダな医療」が追加されました。

本書は、前作以降に新たに米チュージング・
ワイズリーに追加された、約300項目を
整理して、わかりやすく解説を加えたもの。

いくつか取り上げると、次のような
「受けたくない医療」が掲載されています。

 ・前立腺ガンの医療行為には不必要な
  ものが多い

 ・子供にCT検査やMRI検査を安易に
  実施しない

 ・古くなったというだけで、歯の詰め物
  を取り替えない

 ・手術する場所の毛髪は剃らない

 ・ヘリコバクター・ピロリ菌を調べる
  ために血液検査を実施しない

辞書的な本なので、自宅に置いておいて、
病院で診察を受けて、治療する前に
チェックするのがオススメの使い方です。

前著『絶対に受けたくない無駄な医療
とあわせて、一家に一冊置いておくと
安心できると思います。

この本から何を活かすか?

  「チュージング・ワイズリーは、日本の
  医療従事者にとっては、まだまだ
   “広がると困る” 動きなのかもしれない。
  本書で何度もお伝えしたように、
  チュージング・ワイズリーは、
  医療従事者が自分たちの首を絞める
  ような活動でもある。 “ムダな医療” に
  よって得をしている病院や医師も多い。
  ムダな医療がなくなれば、損をする。」

米国では、医療行為の費用対効果に対する
監視の目が厳しく、逆に費用対効果の高い
医療を行ったときのインセンティブも
用意されているようです。

医療環境が異なる日本では、米国と同じ
動きにはなりにくいため、今のところ
「自衛」するしかないように思えます。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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