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日産 独裁経営と権力抗争の末路 ―ゴーン・石原・川又・塩路の汚れた系譜


日産 独裁経営と権力抗争の末路 ―ゴーン・石原・川又・塩路の汚れた系譜

満足度★★★
付箋数:23

さくら舎さんから献本いただきました。
ありがとうございます。

かつて日産自動車の救世主として登場し、
その窮地を救い、世間からも名経営者と
評されたカルロス・ゴーンさん。

2018年11月、金融商品取引法違反で、
東京地検特捜部に逮捕され、日産、三菱の
会長職を解任されました。

メディアはこれを、「ゴーン・ショック」
と呼んでいます。

日産社長の西川廣人さんは、この事件に
ついて「1人権力が集中しすぎた」、
「長年にわたる統治の負の側面と
言わざるを得ない」とコメントしました。

  「ゴーン事件で最も驚いたことは、
  カルロス・ゴーンが日産のCEOでも
  ないのに、 “西川社長以下執行役員
  53人全員の人事権と報酬権を握って
  いた” ということだ。
  日産ほどのグローバル企業に、
  社外取締役が役員報酬を決める
   “報酬委員会” がなく、ゴーンが事実上、
  1人で報酬額を決めていたことは驚きだ。
  人事とカネ。これを握ったことが
  ゴーンの独裁権力の源泉だった。」

なぜ、ここまでゴーンさんに権力が集中し、
暴走するようになってしまったのか?

本書は、企業の実態を解き明かす
手腕には定評のある、経済ジャーナリスト、
有森隆さんによる渾身のレポート。

これまでの日産の歴史を紐解いていくと、
どうやらゴーン・ショックだけが、
特別な出来事ではなかったようです。

もともと、日産はそういったことが
起こる体質の会社だった・・・。

本書は、正史から消されてしまった日産の
「裏面史」を明らかにしていきます。

  「圧倒的なパワーを持つ権力者があらわ
  れると、ひれ伏してしまうのが日産の社風
  である。長いものには巻かれろ。
  権力、権限を持つ者、強い者に逆らっても
  得にはならない。言うなりになるしかない。
  権力に従順になる社員のDNA(遺伝子)が
  独裁者を生みやすい土壌となっている。」

有森さんは、「はじめに」の数十行で、
ゴーンさんが登場する前の日産の歴史を
簡単に振り返っています。

これを読んだだけでも、日産の特殊性が
伝わってきます。

「日産中興の祖」と評され、16年に渡って
権力を集中させ、社長の椅子に座り続けた
川又克二さんにも、公私混同がありました。

川又さん時代に労働組合の組合長を務めた
塩路一郎さんは、「塩路天皇」の異名を
取りました。

塩路さんは、日産の生産現場を牛耳り、
人事権までも手中に収め、経営陣でも
逆らえないほどの絶大な権力を握って
いました。

謀略の応酬の果に、塩持さんを追い出す
ことに成功した11代目社長の石原俊さんも
また新たな日産の独裁者になりました。

権力闘争に明け暮れた石原さん時代には、
経営は混迷を極め、国際戦略にも失敗し、
その後、日産がルノーの軍門に下る
遠因を作りました。

そして、ゴーンさんの登場です。

「日産リバイバルプラン」を発表。

3つのコミットメントで1つでも
達成できないものがあれば、自分も含め
取締役全員が退任すると宣言。

非常に、鮮烈でしたね。

しかし、途中から「ゴーン・マジック」は、
だんだんと怪しくなって行きます。

そして、ゴーンさんもこれまでの独裁者と
同じ道を辿っていきます。

しかも、日産がグローバル化した結果、
その権力は海外にまで及びました。

本書は、日産のいびつな企業統治の
歴史をつまびらかにします。

非常に読み応えのあるレポートです。

この本から何を活かすか?

今後の日産はどうなっていくのか?

有森さんは、次のように、
歴史は繰り返されると予言します。

  「日産は独裁者でなければ統治できない。
  川又、塩路、石原、カルロス・ゴーンが
  それを証明している。そして、独裁者を
  倒すにはクーデターしかないことも。
  日産の企業風土はまったく変わっていない。
  過去に学べば、ゴーン追放は、次なる
  クーデターのはじまりである。」

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