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サピエンス異変――新たな時代「人新世」の衝撃


サピエンス異変――新たな時代「人新世」の衝撃

満足度★★★★
付箋数:26

あなたは、身体に不調なところはありませんか?

身体のどこかに、大なり小なり不調を抱えて
いる方も多いことでしょう。

その不調は、歳のせいではありません。
それは、現代に生きる私たちが背負った宿命。

なぜなら、私たちの生活を豊かにしている
文明に、実は私たちの身体は、ついていけて
いないからです。

それは、今に始まった話ではありません。

1万年前の「農業革命」によって人類は移動
しなくなりました。

250年前の「産業革命」での効率化によって、
更に人類の動く範囲は狭くなりました。

そしてスマホ・AI時代の「現代文明」では、
人類は身体を動かす必要はなくなりました。

指先を動かすだけ、または声を発するだけで、
好きなことができるようになりました。

文明の発展と共に、どんどん便利になって
きましたが、それと同時に私たちの身体の
使い方も大きく変化してきました。

実はこうした文明の発展に、私たちの身体は、
まだ「適応」できていないのです。

本書は、人類史と人類の身体をめぐる
壮大なノンフィクション。

知的好奇心を刺激する本とは、
こういう本のことを言います。

著者は、英国ケント大学准教授の
ヴァイバー・クリガン=リードさん。

人類史、古典文学、健康、環境問題など
幅広いテーマを研究している方です。

本書を読むと、リードさんの教養の深さが
よくわかります。

あなたは、現在の地質学上の年代をご存知
ですか?

これまで、最終氷河期以降から現代までを
「完新世」と呼ぶのが通説でした。

しかし、最近になって、地球は新しい
地質年代に突入したと考えられるように
なりました。

この新しい地質年代を「人新世(アントロ
ポセン)」と言います。

これは「人間」と「近年」を意味する
ギリシャ語を合成して作られた言葉です。

「人新世」は、まだ一般には広く知られて
いませんが、正式な地質年代名と認められる
予定で、いずれ教科書にも載る名称です。

本書は、「人新世」を生きる私たちの
身体に、大きな変化がもたらされていると
警告しています。

  「人新世に対する解決策はなくとも、
  人新世の身体に対する解決策ならたくさん
  あるのだ。私たちの病気の多くの原因が
  ライフスタイルなのだから、生活に
  大きな影響を与えるようなかんたんで
  身体によい変化を心がければいい。
  つまり、コンクリートの世界に代わりに、
  身体が期待して生まれてきた環境を
  提供すればすむ。生肉を食べて川の水を
  飲もうというのではない。
  現代生活の利点をもう少し自分たちの
  ために役立てるのだ。」

本書には、人類史を振り返る中で、
文学や哲学から最新の科学までの筆者の
豊富な知見に触れる面白さがあります。

と同時に、身体の健康を維持するための
実用面のヒントが書かれている稀な本です。

各章の最後では、「まとめ」として、
どのように身体を動かすと良いかの
アドバイスが紹介されています。

BBCで本書を番組化することが決定した
との話ですが、それも納得の内容です。

たまに、こういう本に出会えると、
本当に嬉しいですね。

 第1章 ヒトは「移動」で進化した
 第2章 「人新世」以前の身体
 第3章 人類は「定住」に適してしない?
 第4章 家畜は何を運んできたのか?
 第5章 古代ギリシャ・ローマ人の警告
 第6章 腰が痛い!
 第7章 大気汚染
 第8章 身体は現代の食生活に追いついていない
 第9章 超人類への扉を開ける「手」

この本から何を活かすか?

  「ニンジンがニンジンでないのはいつか?
  それは、人新世のニンジンであるときだ。
  18本の染色体は変わらないが、この新たな
  環境におけるDNAの働き方が、ニンジン自体
  を変えてしまっているのだ。
  まるで私たち人間のようでははいか?」

実は、今の時代のニンジンは昔のニンジンと
違っていて、かなり甘くなっているようです。

これも興味深い指摘でした。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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