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ハッキリ言わせていただきます! 黙って見過ごすわけにはいかない日本の問題


ハッキリ言わせていただきます! 黙って見過ごすわけにはいかない日本の問題 (単行本)

満足度★★★
付箋数:23

オトバンクの上田さんに献本いただきました。
ありがとうございます。

この問題、誰も声をあげていないけど、
このままだったらマズイんじゃないの?

本書は、そんな日本の見過ごすわけには
いかない問題について対談した本です。

対談したのは、元文部科学事務次官で
面従腹背』などの著書で知られる
前川喜平さん。

それと、大阪国際大学准教授でTBS系
「サンデーモーニング」等にコメンテーター
とし出演する、谷口真由美さんです。

お二人は、2018年3月に放送された
ABCラジオの特別番組で一緒になり、
意気投合して、今回の対談に至ったようです。

まず、最初に谷口さんが言及しているのが、
日本人の批判が下手な点について。

なかなか、好き嫌いの感情に左右されずに
批判することができないと。

社会はいろいろな角度から見て議論
するからこそ良くなっていきます。

そのために必要なのが、健全な批判力。

そこで、谷口さんは、本書の冒頭で、
「批判のお作法 5か条」を示しています。

 第1条 批判されてもキレない

 第2条 批判は「事象」「事柄」「発言」
    などについてすべし。
    人間性への攻撃はNG。

 第3条 批判は「事実」に基づいてすべし。
    根拠のない思い込みや固定観念はNG。

 第4条 批判は「愛」が必要。
    その先に「よりよくなる○○」
    (○○には社会、会社、学校、地域
    など)があるべし。
    うっぷん晴らしはNG。

 第5条 批判には「責任」がともなうべし。
    公益通報などの匿名性は守らなけ
    ればならないが、安全地帯からの
    匿名での言いたい放題はNG。

確かに、ここで挙げられている5か条は、
批判する際にはもちろんですが、
議論するときには必要なマナーだと思います。

健全な批判ができないと、言われたことを
そのままやってしまう思考停止の状態に
陥ってしまいます。

では、なぜ日本人には批判的精神が
足りなくなっているのでしょうか?

前川さんは、その理由を次のように考えます。

  「やはり、お上意識が、本来の批判という
  ものを成り立たせなくしているひとつの
  原因でしょうね。お上がお決めになること
  なのだから、それについて文句を言っては
  いけない、という。」

そういった、お上意識を植え付けているのが、
日本の教育制度だということで、お二人は、
熱い議論を交わしています。

この教育をテーマにしたところが、
文部科学省にいた前川さんと、娘を持つ
母親としての谷口さんの、まったく異なる
立場でありながら、議論が噛み合っていて
面白いところです。

教育の主な担い手である学校の先生が、
自分たちが虐待されているから、
そのぶん生徒を虐待する負の連鎖が
起こりかねないとの指摘もありました。

教員免許更新制度で、お上の言うこと聞く
教師をつくり、その教師がお上の言うこと
を無批判で聞く生徒をつくり上げる。

日本の教育の現場では、実際にこの連鎖が
起こっている印象があります。

本書では、教育だけにとどまらず、
政治、憲法など広い範囲に話が渡り、
お二人は議論を深めています。

脚注の解説が充実していたので、
個人的には自分の足りない知識を補え、
議論を理解する上で助かりました。

対談本としては、結構、ガッチリめの
中身の濃い内容の本だと思います。

ただ、お二人の発言には迫力がありますが、
だからと言って、すべて鵜呑みにせず、
「それは本当に正しいのか?」と
考えながら読みたいところです。

クリティカルシンキング(批判的思考)を
鍛えるには、丁度よい教材になると思います。

この本から何を活かすか?

個人的には「ラグビー」を通じて取り組む
人権や平和問題という視点が新鮮でした。

元ラグビー日本代表監督、早稲田大学
ラグビー部の監督だった大西鐡之祐さんは、
次のような言葉を残しているそうです。

  「ラグビーをする若者よ。
  君たちはなぜ、ラグビーをするのか。
  戦争をしないためだ。」

大西さんの著書、
闘争の倫理 スポーツの本源を問う
も読んでみたいと思います。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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| 社会・国家・国際情勢 | 05:58 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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