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ゴーン・ショック! 事件の背後にある国家戦略と世界経済の行方


ゴーン・ショック! 事件の背後にある国家戦略と世界経済の行方

満足度★★★
付箋数:21

  「2018年11月19日、日本のみならず世界の
  経済界に衝撃が走った。日産自動車会長
  (当時)のカルロス・ゴーンが、自身の報酬を
  50億円近く過少申告した金融商品取引法違反の
  容疑で東京地検特捜部に逮捕されたのだ。
  その後の調査では、不記載の報酬は120億円
  にも上ると報じられている。」

こういった旬の話題で、かつ捜査中の事件を
扱った本を購入するのは、どうしても
二の足を踏んでしまうところがあります。

事件の真相が明らかになるに連れ、
当初言われていたこと、違った見方になる
可能性があるからです。

紹介するのが遅れてしまいましたが、
本書は、2018年末に緊急出版された本です。

限られた情報の中で書かれているので、
もちろん、予測を含む部分はあります。

しかし、まずはこの短期間で200ページの
本を書き上げ、出版したスピード感に
敬意を表したいですね。

そして、本書の内容は事件の真相より、
事件が起こった背景にページを割いて
いるので、十分に読む価値がありました。

著者は作家・経済評論家の渡邉哲也さん。

普段から、ルノーや日産に対するネタを
を持っていないと、これだけ短時間で
書き上げることはできなかったでしょう。

なぜ、ゴーンさんは逮捕されなくては
ならなかったのか?

日本でもフランスでもカリスマ経営者と
認識されていた、ゴーンさん。

しかし、だんだんその悪意と異常性が
見えてくると、ゴーンさんの顔が
立派な悪人面に見えてくるから不思議です。

まず、言われれいるのがマクロン大統領が、
基幹産業としての日産自動車が欲しかったと
いうことです。

日産はルノーによって救われたとばかり、
思っていましたが、実態は違っていました。

もともとルノーは国営企業だったため、
今でも政府の影響力が大きく働いています。

しかも、日産にとってではなく、
ルノーにとって日産が命綱だった。

  「ルノーの純利益の半分は、日産からの
  利益が支えているからだ。2017年の販売台数
  は日産自動車が581万6278台に対して、
  ルノーは376万1634台だった。
  ルノーにとって日産はなくてはならない
  存在であるのに対して、日産にとって
  ルノーは必ずしも必要な存在ではない。」

そして、事件の背景として見えてくるのは、
アメリカと中国の経済戦争です。

マクロン政権は中国への傾斜を強めて、
アメリカへの対立姿勢を表していました。

  「今回のゴーン逮捕は、反グローバリズム
  を強める国と、これまで不当なかたちで
  グローバリズムの恩恵を受けつづけ、
  これからもそれを失いたくないという
  勢力の対立のなかで起こったことであり、
  ある意味で、グローバリズムの本格的な
  終焉の始まりとしてとらえるべきだと
  筆者は考えている。
  そのような視点からすると、米中貿易戦争
  からブレクジット、ファーウェイとZTEの
  国際規格からの排除、そしてゴーン逮捕
  までがきれいにつながっていることが
  わかるだろう。」

今回のゴーンさん逮捕には、明らかに
アメリカの影がちらついて見えます。

そこに働くのは、強力な国家の意志。

本書では、この事件をきっかけに、
日中米欧州各国の思惑を読み解きながら、
経済戦争と世界経済の行く末を占います。

  第1章 ゴーン逮捕の背景にある世界の
     経済覇権争い
  第2章 ゴーン・ショックとアメリカ
  第3章 強欲グローバリズムの終焉と
     世界秩序の激変
  第4章 分断する世界で進む企業大再編

この本から何を活かすか?

本書では、事実を冷静に分析していますが、
「おわりに」で事件や国家に対する、
渡邉さんの想いが語られています。

  「戦争は紛争の最終的解決手段であり、
  戦争においてもっともやってはいけない
  ことは負けることである。負ける戦争
  ならばやってはいけないのだ。
  これは経済戦争も同じであり、今回の
  日産とルノーの問題においても、
  日本人として日産側に何としてでも
  勝ってもらいたいと考えるものである。」

今回は、日産や日本側でも、相手を刺しに
行っていますから、中途半端なところでは、
収まらないことでしょう。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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