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フェイクニュースを科学する 拡散するデマ、陰謀論、プロパガンダのしくみ


フェイクニュースを科学する

満足度★★★★
付箋数:24

2016年の米大統領選は、当初、民主党候補の
ヒラリー・クリントンが優位に進めていました。

しかし、結果はご存知の通り共和党候補の
ドナルド・トランプさんが、大方の予想を覆し
歴史的勝利をおさめました。

この大統領選をめぐって、根も葉もない嘘や
デマ、政治的なプロパガンダがSNSを通じて、
大量に拡散し、米国社会は大きく混乱しました。

こうしたソーシャルメディアなどで拡散する、
ニュースを真似た偽情報は「フェイクニュース」
と呼ばれます。

フェイクニュースは、どのように生まれ、
どんな仕組みで拡散していくのか?

本書は、フェイクニュースを情報生態系の
問題として捉え、計算社会科学の知見を
取り入れながら解明する本です。

著者は、名古屋大学大学院情報学研究科
講師の笹原和俊さん。

フェイクニュースの問題が難しいのは、
単にSNSなどのテクノロジーだけが
原因ではない点です。

人間が本質的に持っている特性と、
デジタルテクノロジーの相互作用によって、
より深刻な状況を生み出しているのです。

まず、人には「見たいように見る」と
「みんなと同じようにする」という
認知バイアスがあります。

「見たいように見る」傾向は、偽ニュースの
原因になるだけでなく、それの訂正を妨げる
要因にもなります。

「みんなと同じようにする」傾向は、
似た者同士が社会的につながり、
偽ニュースが拡散しやすい状態を作ります。

ちなみに、次の3つの性質を持つニュースは
拡散されやすいようです。

 ・受け手の価値観、思い込み、偏見に合致
 ・受け手の(道徳)感情を刺激
 ・みんなが評価している

そして、ソーシャルメディアによって、
「エコーチェンバー」と「フィルターバブル」
という2つの効果が偽ニュースの拡散性を
増幅します。

エコーチェンバーとは、閉じた小部屋で
音が反響する物理現象への喩えです。

意見をSNSなどので発信すると、自分と
そっくりな意見ばかりが返ってくる状況。

これは、自分と似た興味関心を持つ人が、
お互いにフォローしてSNSでつながることで、
閉じた情報環境になっているからです。

フィルターバブルとは、ユーザーの
個人情報を学習したアルゴリズムによって、
その人の興味関心がありそうな情報ばかりが
集められるような情報環境。

このエコーチェンバーとフィルターバブル
の効果によって、より早く、より遠くまで
偽ニュースは拡散します。

また増え続ける情報量に対して、私たちの
注意力は有限なので、その隙間を突いて、
扇情的な偽ニュースや憎悪に満ちた投稿は
広がっていくようです。

本書は、あまり派手さはありませんが、
逆にそこが信頼できる、ネットリテラシー
の教科書です。

大量に偽ニュースが飛び交う今の時代には、
必要な良書だと思います。

この本から何を活かすか?

ネット上で目にする情報を評価する際に、
疑ってみるのは「ESCAPE」の6項目。

  Evidence : その事実は確かか?
  Source : 誰が作った? その人の信用は?
  Context : 全体像はどうなっている?
  Audience : 誰に向けて書いてある?
  Purpose : なぜこの記事が作られたのか?
  Execution : 情報はどのように提示される?

この6項目の中でも、特にSourceの
情報源を確認する習慣は大事のようです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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