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はじめての解析学 微分、積分から量子力学まで

満足度★★★★
付箋数:25

古来より、私たち人類は「自然」の中で
生きてきました。

しかし、その自然がどのように動くかわからず、
身を危険に晒してきました。

  「自然の本質は変化です。
  人類は自然がどのように振る舞うのか、
  つまり自然がどううごくのかを知りたいと
  願ってきました。自然の動きがわかれば
  その脅威から身を守ることができるかも
  しれないし、その恩恵をより多く手に
  入れることができるかもしれません。」

自然は「変化」するから、捉えるのが難しい。

それでは、人類はどのようにして、
「変化」に対処しようとしてきたのか?

その変化を記述する方法の1つが「関数」です。

この関数を扱うのが、数学の中では、
「解析学」という分野。

数学の分野は、ざっくり分けると、代数学、
幾何学、解析学の3つに大別されます。

代数は数や式を扱う学問、幾何学は図形を
扱う学問で、解析学が関数を扱う学問です。

つまり、人類は解析学によって、
自然の変化を捉えようとしてきました。

本書は、歴史の流れに沿って解析学の発展を
見ていく本です。

解析学の全体像が俯瞰できるように
書かれています。

著者は、熊本大学大学院先端科学研究部
教授の原岡喜重さん。

複素領域における微分方程式・特殊関数・
微分代数学を専門とする方です。

解析学の概念が、最初に考えられたのは、
古代ギリシャの時代です。

それが17世紀になってニュートンさんと
ライプニッツさんによって微分法が発見され、
一気に研究が進みます。

更に、フーリエさんの熱伝導の研究もあり、
フーリエ解析で周期関数を記述することが
可能になり、波動の研究に応用されました。

19世紀になると、「奇跡の世紀」と呼ばれる
ほどの大発見が続きます。

解析学に関わるものだけでも、楕円積分、
アーベル積分、アーベル函数に至る研究、
複素函数論、リーマン面の理論などがあります。

ルベーグさんは、積分の概念の一般化する
ルベーグ積分を発表しました。

そして、コーシーさんは、複素解析の研究で、
コーシーの平均値の定理、コーシーの積分定理、
コーシー・リーマンの関係式などを展開します。

20世紀になると、数学は更に深化と抽象化が
進み、また計算機の発達で、計算実験も
どんどん行えるようになりました。

そこで登場するのが、20世紀の科学における
最大の発見と呼ばれる量子力学です。

量子力学は、それまでの古典物理学で
とらえた世界像を一変するような衝撃を与え、
多くの現象を緻密に記述することを
可能にしました。

この分野では、シュレーディンガーさんが
シュレーディンガー方程式を発表します。

シュレーディンガー方程式は、
波動関数とみたすことで間接的に
確率密度関数をみたす微分方程式です。

本書では、20世紀の解析学までを、
その時代その時代に新しい局面を切り開いた
人物を紹介しながら解説しています。

解析学自体はかなり大きな研究分野ですが、
その発展が、つながりとして見えてきます。

非常に興味深い本で、解析学の概要を
知るためには適しています。

しかし、それなりに数式での説明も
出てきますので、文系の方には、
難しく感じる可能性があります。

少なくとも高校レベルの数学の
知識がないと、解析学の醍醐味は
伝わってこないかもしれません。

この本から何を活かすか?

本書の巻末では、解析学を学び始める方向けに、
大学生向けの微分積分の教科書が紹介されて
いました。

  1.微分積分学 第1巻第2巻
  2.解析概論 改訂第3版
  3.微分方程式 増補版
  4.関数論
  5.複素函数論 (東京大学基礎工学)

古い本も多くて、入手が難しいものもあります。
この中で、「3」が原岡さん自身の著書です。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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