活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

PREV | PAGE-SELECT | NEXT


≫ EDIT

50(フィフティ) いまの経済をつくったモノ

満足度★★★★
付箋数:25

あなたは、日本で約40年間禁止されていた
アメリカ人のある発明を知っていますか?

その発明を禁止していたことは、
今でも日本の社会に大きく影響しています。

特に、女性のキャリアに関して。

そのアメリカ人の発明品とは何か?

  「育児用粉ミルクは、母親のあり方を変え、
  TVディナー(そのまま食べられるように
  パッケージされた冷凍食品)は、主婦の
  あり方を変えた。
  しかし、ピル(経口避妊薬)はその両方を
  変えた。それだけではない。
  ピルは社会も大きく変えることになった。
  そしてそれこそがピルの目的だった。」

日本で約40年間禁止されていた発明とは
経口避妊薬の「低用量ピル」のことです。

ピルがアメリカで承認されたのは1960年の
ことでしたが、日本で解禁されたのは
1999年になってからでした。

日本の女性は、避妊薬を使えるようになるまで、
40年近く待たなければなりませんでした。

しかし、男性が使用する勃起不全治療薬の
バイアグラは、アメリカで認可された
わずか数カ月後には、日本でも認められる
ようになりました。

  「日本は男女間格差が先進国でいちばん
  大きい国として知られており、女性はいまも
  なかなか職場で認められずにいる。
  その因果関係を解きほぐすことは不可能だが、
  アメリカの経験を見ればわかるように、
  それは偶然ではないだろう。
  ピルの解禁が二世代遅れれば、女性が受ける
  経済的な影響は相当なものになる。」

ピルはコンドームよりも3倍も失敗率が低く、
正しく服用するとほぼ100%に近い避妊効果が
得られます。

ピルは社会に革命を起こしただけでなく、
経済革命の火付け役にもなりました。

それは20世紀後半でいちばん重要な変化
だったとも考えることができます。

アメリカで使用されるようになったピルは、
法学部や医学部の女子学生に影響を与えました。

それはパートナーに頼らず、自分の意思で
妊娠と出産をコントロールできるように
なったため、自分のキャリアに投資できる
ようになったからです。

ピルのなかった時代は、5年以上かけて
弁護士や医師の資格をとることは、
妊娠のリスクを考えると、時間とお金の
有効な使い方ではありませんでした。

しかし、ピルが使えるようになったことで、
女性が積極的に法学、医学、歯学、MBAなどの
学位を学ぶようになり社会に進出していく
ようになりました。

一粒の小さなピルは、女性の社会進出を
後押しし、経済に大きな影響を与えたのです。

本書は、ピルを推奨する本ではありません。

経済に影響を与えた50の発明を紹介する本です。

著者は、『まっとうな経済学』が好評だった
フィナンシャル・タイムズの人気コラムニスト、
ティム・ハーフォードさんです。

  「発明の一つひとつに物語がある。
  人間の創造力の物語だけでなく、私たちを
  とりまく目に見えないシステムの物語もある。
  (中略)
  この本は、紙、バーコード、知的財産、
  文字など、50の発明をとりあげて、
  世界経済はどのように働いているのか、
  その知られざる物語にスポットを当てる。」

この本の目的は経済に重要な影響を与えた
大発明のベスト50を選ぶことではありません。

紹介されている発明品は「語るべき物語」
があるものが選ばれています。

その物語を知ることで、世の中がどのように
繋がっているかがわかり、生きた経済の
仕組みがわかります。

今では、日常に溶け込んでいる発明品には、
私たちの知らない意外なストーリーがあって、
なかなか興味深いですね。

この本から何を活かすか?

本書で紹介されているモノは意外な視点や
物語を教えてくれます。

例えば、海外に行く場合は「パスポート」が
当たり前のように必要です。

パスポートは、既にローマ帝国時代には、
似たような形があったとされています。

しかし、その評判はあまり良くなく、
20世紀になる頃には、使っている国は
ごく一部になり、パスポートは世界中から
なくなりかけていました。

  「パスポートが20世紀初めになくなっていたら、
  世界はいまごろずっと豊かになっていたのでは
  ないか。パスポートがなくならなかったのは、
  ある単純な理由からだ。
  第一次世界大戦がそれを許さなかったのである。」

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
関連記事

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 経済・行動経済学 | 05:59 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT















非公開コメント

TRACKBACK URL

http://ikadoku.blog76.fc2.com/tb.php/3383-626874a6

TRACKBACK

PREV | PAGE-SELECT | NEXT