マネージャーの問題地図 ~「で、どこから変える?」あれもこれもで、てんやわんやな現場のマネジメント
付箋数:23
マネージャーは、管理職という立場です。
つまり「管理」するのが仕事。
しかし、日本語の「管理」には、英語で言う
ところの3つの意味を含んでいます。
・Management(やりくり)
・Control(統制)
・Administration(事務執行)
「どうも日本でいうところの “管理職” や
“マネジメント職” は、このすべてを1人の
人に求めがち。そして、機能不全に陥りがち。
この3つに求められる要件も違えば、
遂行に必要なスキルもメンタリティも
異なります。1人で全部できなければ、
役割分担すればいいのです。」
日本のマネージャーが忙しい原因の1つが、
この3つを1人ですべてやろうとしている
ところにあるようです。
本書は、18万部を超える「問題地図」シリーズ
の一冊。
著者は、あまねキャリア工房 代表の
沢渡あまねさんです。
今回は、マネージャーが1人で頭を抱える状況
を解き明かし、解決策を示します。
沢渡さんは、まず、マネジメント不全と
おさらばするために、「3つの割り切り」が
必要であると説明します。
1. プレイングマネージャーは「仕方ない」
本来はマネジメント業務に専念したい
ところですが、多くの組織においては、
プレイングマネージャーになってしまうのは、
ある意味、仕方のない事象。
それを前提としたマネジメントを考える
必要があります。
2. 「マネージャーは何でもできなければ
ならない」を捨てる
これがマネージャーを追い詰め、機能不全に
追いやる原因となります。
また、マネージャーになりたがる若手も
減らします。
自分で何でもやろうとせず、割り切って、
部下や派遣社員に任せることが必要です。
3. 自分たちだけでやろうとしない
マネジメントの一部を外注して
やってもらうのもありです。
マネージャーに求められる役割は、
年々増しているので、手が回らず放置する
くらいないら、外の力を借りてでも前進
すべきなのです。
そして、本書ではマネージャーが陥りがちな、
次の7つの問題を解決します。
1丁目 モヤモヤ症候群
2丁目 何でも自分でやってしまう
3丁目 コミュニケーション不全
4丁目 モチベートできない・育成できない
5丁目 削減主義
6丁目 気合・根性・目先主義
7丁目 チャレンジしない
これらの問題の中でも、組織の最大の敵と
なっているのが、1丁目の「モヤモヤ」です。
ビジョンやポリシーが見えない、
目的が見えない、優先度がわからない、
役割や期待が見えない、責任範囲があいまい
こういったモヤモヤが職場で漂っていると、
組織の生産性が下がり、チームメンバーの
モチベーションも下がります。
人は情報が与えられないと、不安になり、
それが不満を生み、やがて不信に変わります。
見えないものを見えるようにする。
それが組織のマネジメントの第一歩です。
メンバーが迷走しないよに、仕事の目的を
明確にすることが、まず、マネージャーには
求められます。
本書を読むと、どこから手を付けていいか
わからなかった複雑な状況が、紐解かれ、
マネージャーのやるべきことが見えてきます。
チームメンバーの力を借りながら、
チームを成長させるヒントが示されている
と思います。

マネージャーは「ピンチヒッター要員」に
すぎないと心得る。
「自分が手を下さずとも、日常業務は
メンバーが動いてくれれば回る。
部課長は、マネジメント業務に徹する。
ただし、部下が休んだときには代わりに
フォローできるよう、最低限の進捗は
把握しておく。部下がどんな仕事を抱えて
いるのかを知っておく――それができれば、
部下も安心して休めますし、無駄に
がんばりすぎずにすみます。」
これが目指すべき理想的な状態ですね。
Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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