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読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

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セゾン 堤清二が見た未来

満足度★★★★
付箋数:26

日経BP社の日野さんより献本いただきました。
ありがとうございます。

  「無印良品、ファミリーマート、パルコ、
  西武百貨店、西友、ロフト、そして外食
  チェーンの吉野家――。
  いずれも日々の生活でなじみのある企業で
  あり、知名度の高いブランドだ。
  これらの企業が、かつて同じグループに
  所属していたことを、知らない世代が
  増えている。コンビニエンスストアの中で、
  なぜファミリーマートだけが無印良品の
  化粧品やノートを売っているのか。
  改めて指摘されなければ、普段の生活では
  不思議に思わない。
  これらはいずれも、堤清二という男が一代で
  つくりあげた “セゾングループ” という
  企業集団を構成していた。」

本書はセゾングループと堤清二さんを描いた
秀逸なノンフィクション。

著者は日経ビジネス副編集長で、20年以上に
わたってセゾングループと堤清二さんを
取材し続けてきた、鈴木哲也さんです。

まず、目を引くのが『セゾン』という
どストレートなタイトル。

そして、帯に目をやると、推薦の言葉を
書いているのは、1980年代に西武百貨店の
斬新なコピーを書いていた糸井重里さんです。

「じぶん、新発見。」、「不思議、大好き。」
などのコピーは今でも鮮明に記憶にあります。

更によく見てみると、表紙イラストを
描いているのは、山口はるみさんです。

山口さんはレコードジャケットのような
パルコを象徴するクールなイラストを
描いていた方です。

  「かつて堤が提唱した方向性は、小売業や
  サービス業、商業施設の開発など、
  消費に関わる産業で、今なお繰り返し、
  語られている。(中略)
  一見すると斬新に見えるマーケティングの
  試みも、セゾングループが30年以上前に
  手がけていたものの二番煎じだった――。
  そんな事例は、枚挙にいとまがない。」

堤さんは、最終的にセゾングループの
崩壊を招いていますから、決して成功者
とは言えません。

しかし、理念がすべてに先行する
圧倒的なパワーを持つカリスマ経営者でした。

その理念から生み出されるサービスは、
当時も今も異彩を放っています。

では、なぜ、このタイミングでセゾングループを
見直す必要があるのしょうか?

それは、複雑で閉塞感が漂う現代だからこそ、
その状況を打ち破るために、かつて堤さんが
考えた理念を見つめ直す必要があるのです。

  「セゾン文化が全盛だった1970年代から
  1980年代のように、一つの企業が消費者を
  啓蒙できる時代では、もうない。
  堤のような経営者が消費文化を先導できる
  わけでもない。
  ただ、堤とセゾングループがかつて持っていた
  特有のエネルギーを検証することは、
  未来の消費の行方を知る上で、大きなヒント
  となるはずだ。」

本書の第一章は、無印良品から始まります。

それは今、無印良品に通う顧客はまったく
意識していないと思いますが、無印良品は
堤さんの思考の結晶であり、堤さん自身の
分身のような存在だからです。

そして、最終章では多くの矛盾を抱え、
毀誉褒貶の激しかった、人間堤清二の
実像に迫ります。

「何を今さら、セゾンなんて」と決して
侮ってはいけません。

堤さんが持っていた先進的な理念と、
現実的に抱えていた闇、そしてグループとして
栄華を極めた後の、バブルと共に崩壊。

本書には、あらゆるドラマの要素が
パンパンに詰め込まれています。

題材が魅力的なのに加え、入念な取材が
行われていてます。

鈴木さんの力量も相まって、
本書は非常に面白いノンフィクションに
仕上がっています。

自信を持ってオススメできる一冊です。

この本から何を活かすか?

  「堤さんは、なりふり構わず野武士集団の
  ように攻めてくるダイエーに、いら立っていた」

これは西武百貨店の元幹部の証言です。

かつて堤清二さんと、ダイエーの創業者
中内功さんは、強烈なライバル関係にありました。

どちらも流通業界の歴史を変えた異端児であり、
カリスマ的な経営者でした。

この二人のライバル関係があったからこそ、
無印良品はダイエーへのアンチテーゼとして
生まれたとも言えます。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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