活かす読書
ikadoku

ビジネス書・ベストセラー本・科学本を中心に13年以上、ひたすら本を紹介し続けるブログ。既に紹介した本は3700冊以上。

ヒューマンー私たち人類の壮大な物語 生命誕生から人間の未来までを見すえる総合科学

2018年08月23日
科学・生活 0
満足度★★★
付箋数:22

人間総合科学大学の井上さんより、
献本いただきました。ありがとうございます。

かつて、「人間とは何か?」という
私たち自身の存在に関する問いは、
哲学や宗教の領域で考えられてきました。

しかし、現在では科学の進歩によって、
哲学や宗教以外の領域からも様々な
知見がもたらされるようになっています。

「我思う、故に我在り」と言ったのは、
近代哲学の祖、ルネ・デカルトさんでした。

彼の生きた時代には、現代の生命科学や
ゲノム科学の発展は想像できなかった
ことでしょう。

現代の私たちは、生命現象を人為的に
操作できるほどの科学を手に入れようと
しています。

この時代に、「人間そのもの」について、
理解しようとすると、科学を抜きに
アプローチするには無理があります。

そこで登場したのが、「人間総合科学」と
いう新しい学問です。

  「人間総合科学は、これまで人類が集積して
  きたさまざまな学問や知識を統合あるいは
  融合し、新たな視点で人間理解を深めること、
  すなわち統合科学としての “構築” と
   “系統化” を目指しています。」

人間総合科学では、大きく3つの分野から
アプローチして、人間の総体を理解しようと
試みます。

その3つの分野とは「こころ」、「からだ」、
「社会・文化」です。

「こころ」の理解に関しては、心理学や脳科学、
行動科学の知見から、人間を人間たらしめる
個々の内面や相互の関わりを探ります。

「からだ」の理解に関しては、生理・解剖学
からゲノム・細胞学に渡って、生物としての
ヒトの仕組みを追求します。

「文化・社会」の理解に関しては、これまで
人間が創り出してきた文明・哲学・宗教などの
側面から、人間の本質に迫ります。

人間総合科学とは、いままでバラバラに
進歩していた、この3つの分野を統合して、
多角的に人間を理解しようとする学問です。

本書は、人間総合科学を学ぶための
教科書的な本です。

  「本書は人間・生命の本質をつかみ、
  生きるための叡智を育む “いのち” のバイブル」

人間はとかく自己中心的な視点でものごとを
考えてしまうものです。

しかし、本書では俯瞰的な人間社会を全体を
見る視点と、遺伝子レベルのミクロな視点の
両方が持てることが面白いですね。

これまで文系の大学で教えられてきたことと、
理系の大学で教えられてきたことが融合して
同時に学べるイメージです。

著者は、人間総合科学大学理事長の
久住眞理さんと、同学長の久住武さんです。

この大学は、2000年に通信制専門の私立大学
としてさいたま市に開学した、比較的新しい
学校です。

現在は通学課程や大学院も開設されています。

私は、この大学がどんな学校なのか、
正直、よくわかりません。

しかし、本書を読む限り、人間総合科学は、
非常に興味深い学問の分野だと感じました。

今までの学問の領域を超え、融合しながら
深化するのは必然のように思えます。

本書は教科書的と言っても、堅苦しくなく、
B5版オールカラーで図や写真も多いので、
普通に読み物として読んでいけます。

個人的には、健康科学など馴染みのなかった
分野も自然と学べて、非常に有用でした。

この本から何を活かすか?

私は本書で「おばあちゃん仮説」を
初めて知りました。

一般的な哺乳類の寿命は、繁殖能力を失う
時期と一致しているようです。

そのため、人間の女性が閉経を経て、
その後、何十年も生き続けるのは、
哺乳類の中では非常に稀な現象です。

進化論的にも、子孫を残せなくなった時点で
淘汰されるのが、自然な流れだからです。

しかし、自ら出産・育児を終えた後も、
その知恵と経験を生かして、自分の遺伝子の
生存率を高めるために進化したと考えるのが、
「おばあちゃん仮説」。

一方で、これは生物が進化する上での
順応現象ではなく、「不測の事態」とする
学説もあるようですね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
関連記事

気に入ったらシェア!

ikadoku
この記事を書いた人: ikadoku
毎朝4時に起きて本を読み、13年以上ブログで紹介記事を投稿しています。北海道在住。たまに旅行で長期の休みを取ります。

コメント0件

コメントはまだありません