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読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

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星野リゾートのおもてなしデザイン

満足度★★★
付箋数:17

旅館やホテルの経営で、最も注目すべき指標は
「客室稼働率」でしょう。

観光庁の調査によると2017年日本全国の旅館
の客室稼働率は、僅か38.1%。

リゾートホテルでも、57.8%に過ぎません。

しかし、「星野リゾート」の客室稼働率は、
平均80%に達するといいます。

星野リゾートは、星野佳路さんが率いる
リゾートホテルブランドです。

2018年時点で、拠点数は全国で38ヶ所。

運営施設の収入合計は、東日本大震災のあった
2011年を除いて毎年伸びていて、2017年には
509億円に達しています。

星野リゾートが展開するのは主に4つのブランド。

「星のや」は、日本初のラグジュアリーな
リゾートホテル。

「界」は、現代の快適さを備えた温泉付きの
和風旅館。

「リゾナーレ」は、アクティビティーを重視した、
スタイリッシュなリゾートホテル。

そして、2017年に第4のブランドとして
立ち上げたのが、都市型観光ホテルの「OMO」。

本書は、星野リゾートの強さの秘密を、
「デザイン」の視点から紹介する本です。

星野リゾートは、これまで経営に行き詰まった
旅館やホテルの「再生」を主に請負ってきました。

そのため、大規模なハード面のリニューアルが
できていない施設がけっこうあります。

では、いかにして、一度離れていったお客を
呼び寄せることができたのか?

事業が好転する原動力になったのは、
接客サービスを始めとするソフト面の刷新です。

星野リゾートを支えるソフト面には、
3つの特徴があるそうです。

それが、「日本旅館メソッド」と「マルチタスク」、
そして「フラットな組織文化」です。

日本旅館メソッドとは、迎える側が様々な
趣向を凝らし、お客様はそれを楽しみして
宿を訪れる、日本の旅館文化をベースとした、
おもてなしの方法。

マルチタスクは、各スタッフがフロントや
客室清掃、レストランサービスなど、
複数の業務をこなす働き方。

フラットな組織文化とは、入社歴や職位に
関係なく、スタッフが対等な関係の中で議論し、
発言できる職場環境です。

これら3つのソフト面の特徴が、星野リゾートの
「おもてなしデザイン」の肝になっています。

私が本書を手にしたのは、星野リゾートが
第4のブランドとして立ち上げた「OMO」に
興味があったからです。

コンセプトは、「寝るだけで終わらせない、
旅のテンションを上げる都市型観光ホテル」。

都市部にありながら、ビジネス客を狙わずに、
観光客に特化した宿泊施設です。

OMOが他の都市型ホテルとの差別化を図る
ために重要な役割を果たすのが、5人の
「OMOレンジャー」と呼ばれるスタッフです。

彼らは観光ガイドに載っていないような
地元のディープな店を探し出し、
観光客を街に連れ出すのが役目です。

OMOレンジャーを中心として、観光客と地元を
つなぐ新サービスを星野リゾートでは、
「Go-KINJO(ゴーキンジョ)」と呼びます。

2018年現在、OMOブランドのホテルは、
「OMO7 旭川」と「OMO5 大塚」の2拠点で
営業しています。

ちなみに、OMOの後の数字はオープンの
順番ではなく、設備やレストラン、宴会場の
有無などにより社内で区分された番号です。

本書はカラー写真が豊富に掲載されていて、
よく取材して書かれた本だと思います。

この本から何を活かすか?

星野佳路さんが、日本に根づかせようと
している文化の一つが「グランピング」です。

グランピングとは、「優雅な」といった意味の
 “glamorous” と “camping” を合わせた造語。

贅沢にアウトドアを楽しむ、新しいリゾート
スタイルです。

最近は、星野リゾート以外でもグランピングを
手掛けるところが多くなってきました。

このスタイルには、賛否が分かれています。

個人的には、キャンプとは完全に別物だと
思いっています。

グランピングをしたいとは全く思いませんが、
普通のキャンプをする層とは別の人たちが
するものだと考えれば、あってもいいもの
だと思います。

ただし、雨後の筍のように増殖しているので、
数年後にあちこちに見られるであろう、
グランピングの残骸が心配ですね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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