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明治日本の産業革命遺産 ラストサムライの挑戦! 技術立国ニッポンはここから始まった

満足度★★★
付箋数:24

オトバンクの上田さんから献本いただきました。
ありがとうございます。

書店やAmazonを見ているだけでは、
その存在に気づかなかったかもしれません。

しかし、今回は献本で出会うことができ、
非常に良質なノンフィクションであることが、
わかりました。

2015年7月に、日本の近代化の足跡が、
世界遺産に登録されました。

登録されたのは、「明治日本の産業革命遺産
製鉄・製鋼、造船、石炭産業」です。

この世界遺産は、大きな2つの特徴があります。

1つ目は、「シリアル・ノミネーション」方式で
世界遺産に登録されたこと。

これは複数の資産が関連しあって全体として
1つのテーマとして価値を有すると認められ、
一括して登録される方式です。

この世界遺産は、幕末から明治にかけての
産業施設や史跡群で、鹿児島、長崎など
九州各地や山口から静岡、岩手の八県に
またがる23の施設で構成されています。

これほど広範囲に分散した資産が世界遺産として、
登録されたケースはあまりありません。

そして、もう1つの特徴は、現在でも稼働中の
施設も登録されたことです。

三菱長崎造船所、官営八幡製鉄所、三池港の
一部の施設は、今なお100年以上に渡って
稼働し続けています。

この「明治日本の産業革命遺産」に登録されて
いるのは、長崎市の旧グラバー住宅や端島炭鉱、
山口県萩市の松下村塾、鹿児島市の旧集成館、
静岡県伊豆の国市の韮山反射炉などです。

これらは、日本のモノづくりの原点である
だけでなく、今の日本経済の土台を作った
産業革命の遺産です。

そこには幕末のサムライたちにが、日本の危機
から救うために行った、熱いドラマがありました。

それは明治維新版の「プロジェクトX」です。

著者の岡田晃さんは、登録された23の各遺産に
足を運び丹念に取材し、当時の時代背景や
建設のいきさつ、そしてそれに携わった多くの
リーダーや職人の奮闘を紹介していています。

本書は幕末から明治の激動の時代に奔走し、
高い志をもって挑戦し続けたラストサムライ
たちを描いたノンフィクションです。

本書の第1章で紹介されている遺産は、
薩摩藩の第11代藩主・島津斉彬さんが
建設した一大工場群の集成館です。

これは、「西郷どん」や「五代様」を育てた
幕末の名君、島津斉彬さんの挑戦を描いた
ドラマでもあります。

島津さんは、欧米列強による侵略の危機を
乗り切るため、軍備増強と殖産興業に取り組み、
多くの人材を育てました。

西郷隆盛さん、大久保利通さん、五代友厚さん
らも島津さんがあってこそ、世に出ることが
できたのです。

彼が行った集成館事業は、大砲鋳造、造船、
機械、紡績、ガラスなどの数多くの工場と
研究施設を建設した、近代化プロジェクトです。

この事業に着手したのが、ペリー来航前の
1851年だったというから驚きですね。

そして注目すべき点は、近代化プロジェクトを
単に西洋の技術を導入しただけでなく、
日本固有の伝統技術と融合させていることです。

大砲を鋳造する反射炉の建設においては、
蘭書の翻訳本を頼りにするだけでなく、
薩摩焼の伝統的技術も活用して成功させました。

他にも日本初の蒸気船の建造、機械紡績の開始、
日本初のガス灯実験の成功させるなどして、
集成館は当時、東洋最大の工業地帯となりました。

こういった事業、1つ1つがのちの明治維新に、
そして日本の近代化につながっていったのです。

本書で多くの人間ドラマを読んでいると、
日本の底力を感じますし、奮い立たせられる
ものがあります。

本書は、明治日本の産業革命遺産を撮影した
カラー口絵のほか、昔の貴重な写真なども
掲載される、資料としても価値が高い一冊です。

この本から何を活かすか?

明治日本の産業革命遺産の中で、ロケーション的
に有名なのは、端島炭鉱、通称「軍艦島」です。

1890年に三菱が買収、開発し、主力坑とした
海底炭鉱によって栄えた島です。

ピーク時には、5000人以上が住み、人口密度が
東京の9倍にもなりました。

日本初の鉄筋コンクリート造のアパート、
世界初の海底水道敷設、テレビの普及率日本一
など、当時の島の生活は豊かだったようです。

軍艦島の廃墟がちょとしたブームなりましたが、
幾度となく開発に失敗したことを乗り越え、
明治の産業革命から戦後の高度成長までを
支えた貴重な存在だったのです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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