活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

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武器になる哲学 人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50

満足度★★★★★
付箋数:28

「高い満足度」の本を連続で紹介していると、
すべての本を高評価している印象を与える
かもしれませんが、そんなことはありません。

良い本との出会いは、続くときは続くもの。

山口周さんの本は、ハズレがなく、どの本も
面白いのですが、特にこの本は秀逸でした。

今回も、新しい視点を与えてくれます。

本書のテーマは、ビジネスに役立つ「哲学」。

教養を身につけるためには、「哲学」は
学んだ方がいいと知られていても、敷居が高く、
ビジネスでは役立たないと思われています。

しかし、山口さんは哲学をビジネスに
役立てていると言います。

実際に、どのように哲学を活用しているのか?

山口さんは、クライアントとの会議の場で、
「・・・よくそんなことを、思いつきましたね」
と言われることが、しばしばあるそうです。

それは、問題の原因が特定できないような場で、
目の前の霧がすっと晴れ、モノゴトの見通しが
良くなるような本質をズバリと言うからです。

実は、そんなときに、山口さんは哲学の
コンセプトを使っています。

  「こういう場合、私が自分のアタマでゼロ
  から思考を組み立てていることは、ほとんど
  ありません。何をやっているかというと、
  哲学や心理学や経済学のコンセプトを、
  目の前の状況に当てはめて考えてみる、
  ということをやっています。」

本書は、いわゆる「哲学の入門書」では
ありません。

哲学史に沿って、主な流派の考えを紹介する
ものではありませんし、哲学以外の領域も
カバーしています。

そして何より、哲学の体系ではなく、
山口さんの個人的な有用性をベースに
書かれているのが、本書の大きな特徴です。

  「本書で取り上げるコンセプトが、
  哲学史上の重要性よりも、筆者という
  個人にとっての有用性を元に編集されている、
  ということです。ぶっちゃけて言えば、
  筆者にとって “使えるか、使えないか” 
  というだけの評価で編集している、
  ということです。」

哲学なんて学ぶだけ無駄と思っていた人でも、
使えるものだけに厳選しているとわかると、
俄然、学ぶ意欲が出てくると思います。

  なんで僕のスピーチって、今ひとつウケが
  悪いんでしょうか。
  アリストテレスは答えます。
  「ロゴスだけでなく、パトスもエトスも
  大事なんだよ」と。

  ツイテないよなあ、時代も良くないし、
  会社はあんなだし、やる気出ませんよ・・・。
  サルトルは答えます。
  「君は逃げるばかりで、アンガージュマン
  していないのかね?」と。

  新しい業務プロセスが、なかなか根付かないん
  ですよね。
  レヴィンは答えます。
  「導入の前に、まずは解凍できておるかね?」と。

  活発な議論が起きずに、いつもなんとなく
  その場の空気で決まっちゃうんですよ。
  ミルは答えます。
  「悪魔の代弁者を投入せよ」と。

本書で紹介される「哲学・思想のキーコンセプト」
は50に厳選されています。

それらは、山口さん自身の経験から、
「知っていて本当によかった」あるいは、
「修羅場を切り開くのに非常に有効だった」と
思えるものに絞られています。

正直、本書を読むだけで、本当の教養が
身につくわけではありません。

真の教養を身につけるためには、本書の巻末に
掲載されている「ビジネスパーソンのための
哲学ガイドブック」の本を読むべきでしょう。

しかし、本書を読むと、哲学が身近で、
使えるものに変わることは間違いありません。

何より、山口さんの文章は非常に明快で、
知的好奇心を刺激します。

本書は、是非、多くのビジネスパーソンに
読んで欲しい一冊です。

この本から何を活かすか?

山口さんは、ビジネスパーソンが哲学を
学ぶべき理由を4つ挙げています。

  1. 状況を正確に洞察する
  2. 批判的思考のツボを学ぶ
  3. アジェンダを定める
  4. 二度と悲劇を起こさないために

ここで言っている「アジェンダ」とは、
会議の議題という狭義の意味ではなく、
問題を解決する場合の「課題設定」のことです。

目の前の慣れ親しんだ現実から、課題を
汲み取るためには、「常識を相対化する」
ために哲学の力を借りるようです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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| 人生論・生き方・人物・哲学 | 05:53 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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