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読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

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太陽を創った少年:僕はガレージの物理学者

満足度★★★★
付箋数:24

あなたに、天才的な子どもができたとします。

その子は、あまりに天才過ぎて、まだ中学生で
あるにも関わらず、自宅に非常に危険な
「核融合炉」を作ろうとしています。

親として、あなたはどうしますか?

子どもに危険なことをやめさせようと
するのが、普通の親の反応でしょうか。

実際に、アメリカにはティーンエージャーで
ありながら、自力で核融合をやってしまう
早熟の天才が2人いました。

1人目の天才は、1976年、ミシガン州生まれの
デイヴィッド・ハーンさん。

2人目は、1994年、アーカンソー州生まれの
テイラー・ウィルソンさん。

この2人の大きな違いは、親の反応でした。

デイヴィッドさんの親は、自宅での危険な
科学実験をやめさせようとしました。

一方、テイラーさんの親は、その情熱を理解し、
実験をやめさせようとせず、専門家からの
アドバイスを求めました。

この親の対応の違いは、どのような結果に
つながったのか?

自宅で実験を禁止されたデイヴィッドさんは、
裏庭の小屋で隠れて実験するようになります。

その結果、18歳の時に自作で製作した原子炉を
稼働させようとして、周囲に深刻な放射能汚染を
引き起こしました。

デイヴィッドさんは高校時代の原子炉実験での
被爆が原因かどうか、はっきりわかりませんが、
39歳で亡くなっています。

もう1人の天才、テイラーさんは親の理解を得て、
安全面でのチェックをしてくれる専門家が
メンターとなり、自宅での実験を続けました。

その結果、14歳で核融合炉を作ることに成功し、
19歳で小型モジュール式原子炉を発明しました。

テイラーさんの名前が、世間で知られるように
なったのは、17歳のときに行ったTEDトークです。

「Yup, I built a nuclear fusion reactor
(うん、核融合炉を作ったよ)」というタイトルの
3分半ほどのプレゼンテーションです。

現在、24歳になったテイラーさんは、
気鋭の原子核物理学者として、ヘレナグループの
シンクタンクに所属して、世界を改善する
プロジェクトに取り組んでいます。

さて、本書はテイラーさんが核物理学者として
育つ過程を追った、サイエンス・ノンフィクション。

著者は、ナショナル・ジオグラフィックなど、
多くの一流誌に寄稿するライター兼ジャーナリスト
のトム・クラインズさんです。

クラインズさんは、ポピュラー・サイエンス誌に
テイラーさんの記事を書き、それが大きな反響を
呼んだため、取材を進め本書の執筆に至ります。

  「手つかずの才能を発見し、育てて、才能を
  並外れた成功につなげるには、何が必要なの
  だろうか? 途方もなく強い意志と高い知性を
  そなえた子どもたちどのようにして育てて、
  潜在能力を発揮させればよいのだろうか?
  あるいは、もっと従来の意味で才能ある
  子どもが、自発性を身につけ、外部からの
  支援を得て、自分の夢をかなえるために前進
  できるようにするには、私たちには何が
  できるのだろうか? そして、かつては希望の星
  とみなしていたギフテッドの子どもたちを
  意欲を失わせる環境においてきた、
  過去数十年間の教育文化の方向性を変えるには
  どうすればよいのだろうか?」

ギフテッドとは、いわゆる天才児のことで、
先天的に平均よりも、顕著に高度な知的能力を
持っている子どものことをいいます。

本人の天才性もさることながら、やはりそれを
サポートする大人が、その行末に大きな影響を
与えます。

本書は、天才少年テイラーさんの情熱と、
その才能を育てた大人たちの奔走を描いた
優秀なノンフィクションです。

500ページ近い厚い本ですが、熱量があるので、
一気に読めると思います。

この本から何を活かすか?

テイラーさんが2012年に17歳のときに行った
TEDトークの映像はこちらです。



Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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