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読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

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深夜航路

満足度★★★
付箋数:21

著者の清水浩史さんから献本いただきました。
ありがとうございます。

本書を見て私が最初に思ったのは、
「こういう切り口があったのか」ということ。

漆黒の闇の中に浮かぶフェリーの表紙。

本書は、マイナーで哀愁漂う船旅の中でも、
「深夜便」に絞ったガイドブックです。

  「午前0時を過ぎると、旅がはじまる。
  真っ暗な海、星が瞬く空、静まり返った船内。
  深夜の船のデッキに立つと、遠ざかる陸の灯が、
  ゆっくり流れていく。
  船が沖に向かうと、一切が暗闇に包まれ、
  やがて何も見えなくなる。
  だからこそ、何かが見えてくるのではないか。
  もうひとつの世界へと通じている扉が
  見つかるのではないか。
  深夜航路に乗って、夜の静寂へと向かいたい。」

本書で深夜航路と定義されるのは、午前0時
から3時までの深夜帯に出航する定期航路です。

22時台や23時台に出航する航路は含みません。

あくまで日付をまたいだ時間に出航する便
だけに絞っています。

この深夜航路は、一体、いくつあるのか?

実は、それほど多くなく、日本全国で、
わずか14航路しかありません。

本書は、全14深夜航路の乗船記です。

著者は、過去に当ブログでも『秘島図鑑』や
海駅図鑑 海の見える無人駅』を紹介した
ことがある清水浩史さんです。

清水さんの本は、ちょっと寂れたところに
スポットを当てながらも、「旅に出たい」
という気持ちを起こさせてくれます。

過去の記憶の片隅に忘れ去られていた、
大事な何かを思い出させてくれる印象が
ありますね。

本書でも、独特の視点で深夜旅情を綴ります。

紹介されている14航路は、以下の通りです。

 1.青森(2:40)→函館(6:20) 津軽海峡フェリー
 2.大洗(1:45)→苫小牧(19:45) 商船三井フェリー
 3.敦賀(0:30)→苫小牧(20:30) 新日本海フェリー
 4.和歌山(2:40)→徳島(4:55) 南海フェリー
 5.神戸(1:00)→小豆島(7:30) ジャンボフェリー
 6.神戸(1:10)→新居浜(8:10) 四国開発フェリー
 7.直島(0:15)→宇野(0:30) 四国汽船
 8.柳井(1:00)→松山(3:25) 周防大島松山フェリー
 9.徳山(2:00)→竹田津(4:00) 周防灘フェリー
 10.臼杵(0:55)→八幡浜(3:15) 宇和島運輸
 11.宿毛(0:30)→佐伯(3:40) 宿毛フェリー
 12.博多(1:00)→対馬(5:30) 壱岐・対馬フェリー
 13.鹿児島(2:30)→桜島(2:45) 鹿児島市船舶局
 14.奄美大島(2:00)→鹿児島(18:50) 鹿児島県
   十島村

まず、表紙を開けると全14航路のカラー写真が
掲載されています。

カラーといっても、真っ暗な闇の中に佇む、
フェリーの写真なので、いずれも味のあって、
どこか引き寄せられるものがあります。

そこに併せて、出発・到着港、出発・到着時刻、
所要時間、運行距離、運行会社などの運行概要と
「深夜旅情度」と「孤愁感」の評価が5点満点で
掲載されています。

乗船記は、船から外の景色は見えないものの、
深夜便内部の様子や船に乗り込む人々が
描かれています。

「深夜帯」と「船旅」が組み合わさって、
日常とは切り離された旅が、そこにあります。

  「また、それぞれの深夜航路を乗り通した
  あとも、できる限り “その先の旅” をつづけた。
  新鮮な朝を迎えて、すぐに旅を終えてしまう
  のはもったいない。
  つまり、深夜航路は “乗ること自体が目的” 
  にもなれば “一夜を明かす移動手段” にもなる。
  その両面から深夜航路を捉えて、旅を重ねた。」

本書は、深夜航路の「その先の旅」が
描かれているのが大きなポイント。

川端康成さんの「トンネルを抜けるとそこは
雪国であった」ではありませんが、深夜航路と
その先の旅にはコントラストがあります。

深夜航路が、「もうひとつの世界へと通じる扉」
になっていることを際立たせています。

この本から何を活かすか?

本書の14航路の中で、私が乗りたいと思ったのが、
「奄美大島→鹿児島」の航路です。

429キロの距離を16時間50分で結び、
途中、トカラ列島の7島経由します。

  「まだ真っ暗な午前5時。船内アナウンスが、
  まもなくの宝島到着を告げる。
  闇の中、腹に響くような重い汽笛が、
  宝島の港に向けてぼおお、ぼおおと発せられる。
   “フェリーとしま” は、この宝島を皮切りに
  飛び石のように連なるトカラの島々に
  寄港していく。」

寄港する各島での出会いと別れの光景を
船上から眺められるのも、非常に魅力的です。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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