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ikadoku

ビジネス書・ベストセラー本・科学本を中心に13年以上、ひたすら本を紹介し続けるブログ。既に紹介した本は3700冊以上。

博報堂スピーチライターが教える短くても伝わる文章力のコツ

2018年04月23日
文章術 0
満足度★★★★
付箋数:25

とにかく、凄く役に立った。

これで、短くても面白い、つい読んで
みたくなる、文章が書けるようになる。

  「学生時代のような悠長なレポートは
  読んでもらえない。
  LINEやツイッターのように、
  つぶやくだけではすまされない。
  見知らぬ否特定多数に、短い言葉で、
  わかりやすく伝えるにはどうしたらいいか。
  あふれるばかりの情報と、限定された時間の
  中で伝えたいことを相手の記憶にとどめ、
  行動を促すには、何をどう書けばいいのか。」

本書は、博報堂でスピーチライター
およびコピーライターとして活躍する、
ひきた よしあきさんが、短くても伝わる
文章を書くコツをまとめた本。

まず、根幹となるのは「要約力」。

言いたいことから逃げ、要点をぼかすと、
文章は長くなります。

自分が不遜に見えるか、見えないかは二の次。

大切なのは、相手にストレスを与えずに、
「どう動くべきか」を伝えること。

察してもらう文章は必要ありません。

無駄のない文章が書けるようになるには、
普段から自分が読む文章を使って、
要点をまとめる練習をする必要があります。

本や書類の「1ページに1ヶ所」だけ、
アンダーラインを引きます。

1回目の粗読みでは、ラインを入れません。

パラパラと全体を読み通したうえで、
もう一度はじめから読んでいきます。

そのときに、「ここだ!」と思った単語、
または文章に「短く」ラインを入れます。

大事な部分が「いくつもあるな」と思った
場合でも、1ページで1ヶ所に絞ります。

そのページに核心がないと判断した場合は、
ラインを引きません。

こうして見つけた要点をさらに3つに絞り、
その中からベストワンを探すと、
それが本や書類で最も伝えたいことです。

残り2つの要点は、ベストワンの理由を
肉づけする材料になります。

ただし、これだけでは不十分。

なぜなら、文章には人間の心理が
隠されているから。

例えば、オバマ前アメリカ大統領が、
2016年に広島を訪れたときのスピーチ。

こんな冒頭の一節から始まります。

  「71年前の明るく晴れ渡った朝、
  空から死神が舞い降り、世界は一変した」

これは、天才スピーチライターと呼ばれる、
ベン・ローズ前大統領副補佐官が書いた
美しい叙事詩のような一節です。

実はここには、オバマさんが、
語りたくなかった本音が隠されています。

それは、原爆を落とした国が
アメリカであること。

ひきたさんはこれを、言いたくないこと、
言えないことを語らず、世界の人々を感動させる
見事な「ハイド文」だと指摘します。

文章には、相手が「こう伝えたい」と思っている
建前の「ジキル文」と、行間に滲み出てくる
本音の「ハイド文」があるのです。

このような「ハイド文」に隠された本音が
わかるようになると、コミュニケーションを
効率よく有利に進めることができるのです。

本書では、短くても伝わり、かつ、
面白いと思わせる、文章力をつける
練習方法が、豊富に紹介されています。

  第1章 文章力は「要約力」で決まる!
  第2章 わかりやすい文章の “骨格" をつくる
  第3章 ちょっとした工夫で読み手の印象は
     劇的に変わる
  第4章 スピーチライター流
     文章力を磨くトレーニング
  第5章 ケース別 相手の心を動かす文章の書き方

この本から何を活かすか?

  「あくまで経験則ですが、指定された文字数の
  倍の長さを書いてから削った文章は面白い。」

書くときは、倍の長さを一気に書きます。

そして、心を鬼にして、
削って、削って、削って、
一気に半分の長さまで短くします。

それが面白い文章を書くコツ。

削るときは、なくても通じる接続詞や、
無意識のうちにつけている主語を排除し、
要点の詰まった文章に仕上げます。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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この記事を書いた人: ikadoku
毎朝4時に起きて本を読み、13年以上ブログで紹介記事を投稿しています。北海道在住。たまに旅行で長期の休みを取ります。

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