活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

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デービッド・アトキンソン 新・生産性立国論

満足度★★★★
付箋数:25

次の各国の数字は、何を表したものか
わかりますか?

ドイツ1052万人、イタリア504万人、
スペイン323万人、日本は4101万人。

実はこれ、2060年までに「人口減少」する
予測値です。

他の先進国に比べて日本の数値が、
突出していることがわかります。

人口減少は、日本に劇的な変化をもたらします。

その変化を何もせずに受け入れてしまっては、
日本に残る道は衰退しかありません。

なぜなら、人口が減っても、高齢者の数は
あまり減らないので、1人当りの医療費の負担が
重くのしかかってくるからです。

また、日本はGDPの2倍以上の借金があるので、
人口減少によって、経済が縮小してしまうと、
首が回らなくなってしまうのです。

では、日本は人口減少を、座して死を待つ
ことしかできないのでしょうか?

本書の著者、デービッド・アトキンソンさんは、
人口減少を補う唯一方法は、「生産性」の向上
だと説きます。

ちなみに、ここで言う生産性とは、
「1人あたりのGDP」のことを指します。

  「今までの働き方、すなわち1人あたりの生産性、
  1時間あたりの生産性を変えずに経済を維持
  しようとすると、桁外れの移民を受け入れないと
  いけません。日本人労働者だけでなんとか
  しようとすると、現実的ではない長時間労働が
  必要になります。生産性を固定する以上、
  どうやっても計算が合わないのです。
  やはり人口減少の規模が大きすぎて、生産性を
  向上させる以外の解決策は考えられません。」

本書は、日本の生産性を、いかに向上させるか
について論じた本です。

アトキンソンさんにとっては9冊目の著書で、
17万部超のベストセラーになっている、
「新・◯◯論」シリーズの第3弾です。

  第1弾:『新・観光立国論
  第2弾:『新・所得倍増論

日本の生産性の低さは、以前から指摘されて
いるところです。

一般的にその理由は、日本では質の高い商品や
きめ細やかなサービスを提供している割に、
価格が抑えられているからと認識されています。

つまり「高品質・低価格」であり、
それは日本人の「美徳」であるとする考えです。

しかし、アトキンソンさんは、
「高品質・低価格」は単に生産性の低さを
ごまかすための「屁理屈」と一刀両断。

「高品質・低価格」は、人口増加社会でしか
通用せず、これを続けていると労働者の
「地獄」を生み出す。

そして、日本の生産性が低いのは、
労働者ではなく、経営者に原因があると
指摘します。

  「世界に誇れる優秀な労働者がいるにも
  かかわらず、この体たらくはいったい
  どういうことなのでしょう。
  この体たらくを招いた責任は、ひとえに
  日本の経営者にあります。彼らの無能っぷりは、
  もはや奇跡的としか言いようがありません。」

本書でも、歯に衣着せぬアトキンソンさん
らしい痛快な言い回しが、炸裂しています。

では、日本が生き残っていくために、
どのようにして生産性を上げていけば
いいのでしょうか?

アトキンソンさんは、まず国がすべきこと
として、3つの政策を挙げます。

  1. 企業数の削減
  2. 最低賃金の段階的な引き上げ
  3. 女性の活躍

次に、企業の生産性を上げるためには、
あらためて言うまでもない常識としながらも、
次の5つを挙げています。

  1. 設備投資を含めた資本の増強
  2. 技術革新
  3. 労働者のスキルアップ
  4. 新規参入
  5. 競争

そして、アトキンソンさんは、
日本人は、世界でもっともお金にうるさく
ならなければいけないと、つけ加えます。

今回も、日本人が持っている誤解を
次々と指摘し、論理的に畳み掛けてきます。

読後は、もう本書で言われている通りに
やるしか道はない、と思ってしまうほどの
勢いがあります。

この本から何を活かすか?

よくある誤解が、生産性と効率性の混同です。

誰も求めていない商品を「効率よく」つくる
ことは可能です。

しかし、売れない以上、売上がないので、
付加価値はゼロ、つまり生産性はありません。

生産性のないものを、アトキンソンさんは、
「無駄」と呼んでいます。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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