活かす読書
ikadoku

ビジネス書・ベストセラー本・科学本を中心に13年以上、ひたすら本を紹介し続けるブログ。既に紹介した本は3700冊以上。

熱狂顧客戦略

2018年03月28日
マーケティング・営業 0
満足度★★★★
付箋数:24

全世界で1億枚以上のレコード・セールスを
記録するミュージシャン、ビリー・ジョエルさん。

「ピアノ・マン」、「素顔のままで」など、
これまで数々のヒット曲を世に出してきました。

1970年代後半から1990年代前半にかけてが、
全盛期ですが、いまだに彼のエネルギッシュな
ライブは、すぐにチケットが完売する人気ぶりです。

ビリーさんはあるとき、ライブの最前列には、
いつもお金持ちで、女性をはべらせている
観客が並んでいることに気づきました。

そういった観客は、葉巻をふかし、「さあ、
楽しませてくて」と言わんばかりの態度で、
ライブで立ち上がって騒ぐこともありません。

最前列のチケットは転売されて高額になるため、
リッチな人々の割合が高くなってしまうのです。

ビリーさんは、そんな人たちを目の前にして
歌っているうちに、本当に自分の曲を好きで
聴いてくれているファンはどこにいるんだと
思い始めました。

ビリーさんの姿は豆粒のようにしか
見えなくても、会場を満たす音楽を楽しみ、
立ち上がって歓声を上げる。

ライブの高揚感は、そうした多くのファンから
生まれます。

本当のファンは、前の方の席を買えるほどの
経済的な余裕はないけれど、遠くからでも
ビリーさんのライブを楽しみたいと思って
会場にやってきています。

そのことに気づいたビリーさんは、どうしたか?

彼は本当のファンを大切にすることに決めました。

最前列のチケットを販売することをやめたのです。

そして、会場の入り口にスタッフを配置し、
後ろの方のチケットを手にしてやってきた
本当のファンの何人かに声をかけます。

最前列のチケットと交換しませんかと。

そんなサプライズの申し出人は、
誰あろう、ビリー・ジョエルさん本人です。

声をかけられたファンは、驚き、
うれしさのあまり泣いてしまう人もいます。

そして、予想もしなかった最前列に座った
ファンは、ビリーさんがピアノを弾きながら
歌う姿を目に焼き付けながら思うでしょう。

「一生ファンでいるよ」と。

そんなファンが心底喜んでいる姿を見て歌う、
ビリーさん自身も、深い喜びを感じています。

引用が長くなりましたが、これは本書の冒頭で
紹介されている「熱狂」を生み出した事例です。

本書は、コミュニケーションの「熱量」に
注目したマーケティング本です。

顧客と企業の両方の熱量が高い、
「いいね」の先にあるコミュニケーションを
本書では、「熱狂顧客戦略」と呼びます。

著者は、トライバルメディアハウスの
チーフコミュニケーションデザイナー、
高橋遼さん。

高橋さんは、顧客のブランドへの関与度を
「感情」面から5つのカテゴリーに分類します。

  1. トライアル顧客
  2. 日和見顧客
  3. 継続顧客
  4. ロイヤル顧客
  5. 熱狂顧客/熱狂的推奨者

これまで多くのマーケティング本で語られて
きたのは、継続顧客やロイヤル顧客まで育て、
それを囲い込むことでした。

しかし、これだけスマホやSNSで簡単に
「評判」が伝わる時代になってくると、
いくら企業が顧客を囲い込もうとしても、
以前のように囲い込めなくなっているのです。

そこで必要になってくるのが、顧客の熱量を
高めるために、顧客と企業が一緒になって
未来を描くことです。

それが、熱狂顧客をつくり出します。

本書は、事例も豊富で納得感も非常に高く、
これからのマーケティングがよくわかります。

顧客を熱狂させるには、小手先では通用せず、
企業側もビリー・ジョエルさんのように
一緒に熱狂していことが必要なのです。

この本から何を活かすか?

顧客の「熱量」は次の3つのステップで高めます。

 1. 心の中にある「壁」を超える体験を
  提供する(心に刺さる瞬間)

 2. 顧客の中に火を灯し続ける(継続する共感、
  心の中のポジションを獲得する)

 3. 熱を伝える(レバレッジをかける)

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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この記事を書いた人: ikadoku
毎朝4時に起きて本を読み、13年以上ブログで紹介記事を投稿しています。北海道在住。たまに旅行で長期の休みを取ります。

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