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読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

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3つのゼロの世界――貧困0・失業0・CO2排出0の新たな経済

満足度★★★
付箋数:23

  「私は人生のほとんどを、最も貧しい人々、
  とりわけ貧しい女性たちのために捧げてきた。
  人々が自分たちの生活を改善したいと思う
  ときに直面するさなざまな障害を取り除こうと
  務めてきたのだ。私が故国、バングラデシュで
  1976年に立ち上げたグラミン銀行は、
  マイクロクレジットと呼ばれるツールを通じて、
  貧しい村人、特に女性たちに資金を提供して
  きた。マイクロクレジットはその後、世界中で、
  3億人以上の貧困者に対して、起業家としての
  能力を発揮する機会を与え、貧困と搾取の
  連鎖を断ち切る手助けをしている。」

ムハマド・ユヌスさんは、バングラデシュの
経済学者で、グラミン銀行の創設者、
そしてマイクロクレジットの創始者として、
2006年にノーベル平和賞を受賞しました。

本書は、ユヌスさんの自伝ではありません。

経済学者として、既存の資本主義システムを
基盤とした現代社会へ挑戦した本です。

ユヌスさんは、これまで経済のエンジンとなり、
富を生み出してきた資本主義は、限界を迎えて
いると指摘します。

富の集中はますます加速し、もはや避けようも
なく、不平等の製造マシンになっている。

資本主義は、問題の解決よりもダメージを
多く生んでいるため、新しいエンジンを
再設計する必要があると。

  「従来の資本主義の考え方と決別して
  行動することで、問題を解決できるのだ。
  必要なことはただひとつ。無私の心に動かされた
  ビジネスを創出する取り組みに参加する意思を
  表明すること、つまり人類の問題を解決する
  ために自分の能力に適したソーシャル・ビジネス
  を創出する意志を示すこと、それだけだ。
  このシンプルな行動で、世界全体が変わる。」

ソーシャル・ビジネスとは、環境・貧困などの
社会的課題の解決を図るための取り組みを、
持続可能な事業として起業するビジネスです。

それが今の経済の枠組みが生み出した問題に
対処する、新しいエンジンとなる。

グラミン銀行の成功が、正にその典型例です。

ユヌスさんは、「ソーシャル・ビジネス」と
「起業家の精神」、「金融システムの再設計」の
3つを追求すれば、「3つのゼロの世界」を
実現できると考えています。

3つのゼロの世界とは、本書のサブタイトルに
なっている、「貧困0」「失業0」「CO2排出0」
が実現した世界です。

ソーシャル・ビジネスによって、貧困をゼロにし、
広がる収入格差に終止符を打ちます。

起業家精神を持つことで、これまでの仕事を
探す者から、仕事を創る者に変わることで、
失業をゼロにします。

環境問題を解決する起業で、持続可能な経済を
創り、二酸化炭素排出ゼロを実現します。

この3つのゼロの世界は、簡単に実現するもの
ではありませんが、ユヌスさんは必ずできると
考えています。

なぜなら、グラミン銀行を創設したときも、
仕組み全体がそもそも不可能だと見なされて
いたにも関わらず、これだけの成功を収めた
からです。

誰しも、今の資本主義が抱える問題を認識し、
未来永劫、このまま発展していけるとは
考えていないと思います。

本書は、そうした資本主義の問題を解決する
処方箋であり、バングラデシュから
世界を変えるという決意の書でもあります。

世界を丸ごとデザインし直すという、
非常に大きなテーマに挑んでいる本ですが、
3つのゼロの世界は絵に描いた餅ではなく、
実現性があると感じさせる本でした。

この本から何を活かすか?

本書で、「ユニークな物語」として
紹介されていたのが、日本人の起業家、
出雲充さんです。

  「<グラミン・ユーグレナ>の始まりは、
  1998年に出雲充という18歳の学生が
  バングラデシュを訪れたときにさかのぼる。
  グラミン銀行でインターンをしてから、
  出雲は栄養不良の問題に熱心に取り組む
  ようになった。専攻を文学から農学に変え、
  ミドリムシの驚くべき性質に惹きつけられる。」

日本のバイオベンチャー企業ユーグレナは、
出雲さんが、ユヌスさんと出会ったことが
きっかけで誕生しました。

ユーグレナは、2005年に世界で初めて
ミドリムシの屋外大量培養に成功し、
今や上場企業となり注目さています。

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