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読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

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ものの見方が変わる 座右の寓話

満足度★★★
付箋数:22

  「はじめてラクダを見た者はこの未知なもの
  から逃げ出した。二度目に見た者は近づいた。
  三度目に見た者は勇気を出して、ラクダに
  つける面繋をつくった。
  慣れるということは、こんなふうに、
  すべてをなんでもないものにする。
  恐ろしく奇妙に見えたものも、続いてやって
  くると、私たちは見慣れたものとなる。

  さて、ついでにもう一つ。
  見張りに立たされた人たちが遠くから海上に
  なにかを見て、あれは強力な軍艦だ、
  と言った。しばらく経つと、あれは火船、
  ということになった。ついで、小舟、
  ついで雑嚢となり、最後に水に浮かぶ
  棒きれになった。」

これは、「すべての道はローマへ通ず」
などの格言で知られる、17世紀フランスの詩人、
ラ・フォンテーヌさんが作った寓話です。

前半のラクダの話も、後半の軍艦と棒きれの
話も、「ぱっと見は◯◯だけど、よく見ると
××だ」という話しです。

ここでの「よく」には2つの意味があって、
「何度も見る」という意味と、
「遠くではなく近くで見る」という意味です。

前半の話は、ラクダは一見すると恐ろしげで
奇妙な生きものだが、慣れてくると、
愛嬌があって、かわいい生きものに思えてきます。

要するに、初見は当てにならないということ。

後半の話は、最初、軍艦に見えていたものが、
近づくにつれ「火船?」「小舟?」「雑嚢?」
「何だ、棒きれか!」という話です。

要するに、遠目は当てにならないということ。

本書は、「学校の授業」や「会社の朝礼」
などで使える話材として77の寓話をまとめた
ものです。

そのため長い寓話であっても、2分程度で
話せるように要約されています。

各寓話は1~2ページに収まっていて、
著者の戸田智弘さんの解説がその後に
2~3ページ続く構成です。

ところで、なぜ、寓話は必要なのでしょうか?

戸田さんは、次のように寓話の目的を
説明しています。

  「寓話の目的は教訓や真理を伝えることであり、
  お話そのものはそれらを届けてくれる
   “運搬手段” である。別の言い方をすると、
  寓話においては教訓や真理こそがその核であり、
  お話はそれらを包みこむ “外皮” である。
  なぜそのような二重構造をとるのか。
  教訓は苦く、真理は激しいので、そのままでは
  食べられない。ならば、楽しいお話で教訓や
  真理を包んで読者に届けようというわけだ。
  教訓や真理は抽象的であるのに対して、
  お話は具体的で動きを持っている。
  寓話の読み手や聞き手は登場人物や動物と
  同化し、お話の中に巻き込まれていく。
  面白さに気をとられているうちに、
  いつの間にか人間や世界、人生について
  認識が深まっていくのである。」

本書で紹介されている寓話は、イソップ寓話
から世界の古典まで、よく知られたものも
多くありますし、初めて聞く寓話もありました。

また、その解釈も昔から言われている
内容に加え、戸田さんが新しい解釈を
加えたものもあります。

個人的には、77の寓話を一気に読むよりも、
毎日、1つずつ読む方が、余韻を味わえ、
じっくりと心へ染み込む時間が取れるので
いいように思えました。

この本から何を活かすか?

本書からもう1つ、「ヤゴとトンボ」
の寓話を紹介します。

  「ある深い池にヤゴが住んでいた。
  彼らは不思議に思っていた。
  百合の枝をつたって水面にのぼっていった
  友だちは、なぜ誰も帰ってこないのだろう。
  そこで彼れは相談した。
   “次に誰かが水面に上がったら、
  必ず戻ってきて、何が起こったのかを
  話してくれ。約束だよ” 。
  すぐに、仲間の一人が強い力を感じた。
  彼は百合の葉にたどり着き、そこで美しい
  トンボに変身した。
  そのことを伝えようと、彼は池の水面を
  飛び回った。けれど、ヤゴたちは誰一人として、
  その美しい生き物がかつての仲間の一人
  だとは気づかなかったのだ。」

本書では、この寓話に「自分は死んだら
どうなるのか」という「死生観」を加えて
解説しています。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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