活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

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京大式DEEP THINKING

満足度★★★
付箋数:20

  「この本は “深く考える” ことを考えて、
  1冊を通して “考え抜く力” を高める本だ。
  それが最大にして、唯一の目的である。」

本書では、「考える」と「深く考える」を
明確に区別しています。

「考える」とは、目の前のモノや状況を見て、
それを自分の中にある概念に当てはめて、
「認識・確認」する作業。

つまり「考える」ことからは、新しい概念や
着想は生まれません。

一方、「深く考える」とは、プロセスを
省略せずに存分にたどり、さまざまな発見をし、
自分なりの答えを導き出すという営み。

必ずしも最適解が導き出されるわけでは
ありませんが、模索するプロセスそのものに
価値があり、それを追求することによって
発想の転換が促されます。

本書の著者は京都大学デザイン学ユニット
特任教授の川上浩司さん。

「不便益」について研究している方です。

不便益とは、不便だからこそ得られる
益や豊かさのこと。

不便だからこそ、何か自分で工夫しよう
という発想が生まれます。

つまり、不便の中には、思考できる余地が
あると考えるのです。

そこで川上さんは本書で、不便なツールを
使うことで、深い思考にたどり着くことを
推奨しています。

その不便なツールとは、「鉛筆」。

  「 “PCより鉛筆のメモのほうがなぜか
  信頼できる” と感じることには根拠があり、
  それは、鉛筆とPCの根本的な違いにある。
  先に種を明かせば、鉛筆は “物との約束” 
  によって文字を書く。いっぽうPCは
   “人との約束” によって文字を書く。」

どれだけその意見に同意できる人がいるか
わかりませんが、本書では「鉛筆を使って
いる人は、できる人っぽく見える」前提で
話しが進みます。

鉛筆を使うことは、芯が減っていくという
物理現象を伴う行為です。

それは誰がやっても起こる自然現象で、
そこには実感が宿ります。

これを本書では「物との約束」と表現します。

それに対してPCのメモは、体感できる物理変化
を伴わない、文字の記録に過ぎません。

文字というのは、人間が決めたルールに
基づいたものなので、「人との約束」と
表現することができます。

ちなみに、ボールペンやシャープペンシルを
使っても深い思考はできないと説明されています。

なぜなら、鉛筆は使えば使うほど短くなって
いきますが、ボールペンやシャープペンシルは
筆記具そのものの長さは変わらないから。

短くならない筆記具には、使いにくさや
危機感がないため、リスクホメオスタシスが
働いて思考を深めることにはならないようです。

リスクホメオスタシスとは、危険がありそうだと
慎重になり、危険を感じないとリスクを冒す
という、わたしたが無意識で行う自動調整。

本書の「思考のスタミナ」をつけて、
考え抜ける体質になるというコンセプトは
よくわかります。

ただし、鉛筆に関する話しが長く続くので、
それに付き合えるかどうかで、
本書の好き嫌いが別れるように思えます。

  「 “鉛筆” と “思考” には一見、結びつきが
  なさそうに思える。しかし、離れた事象に
  共通項を見出し、そこから一般法則を導き出す
  のも、 “深く考える” という営みがあるから
  こそなせる業である。」

恐らく、本書を読んで「そうか、よくわかった」
と簡単に思わせないことが本書の狙いなのかも
しれません。

この本から何を活かすか?

川上さんが、研究の一環で作成して話題を
呼んだのが「素数ものさし」です。

これは目盛りに素数のみが印字された
ものさしで、京都大学内のみの販売にも
かかわらず、3万本以上の販売を記録しています。

京大では、素数の価格577円で販売していますが、
他で入手すると販売価格は異なるようです。

 「京都大学 限定 素数ものさし

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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