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読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

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成功企業に潜む ビジネスモデルのルール

満足度★★★★
付箋数:26

ダイヤモンド社の木山さんに献本いただきました。
ありがとうございます。

インクジェットプリンターは、本体を安くして、
消耗品であるインクで稼ぐのが、これまでの
儲けの仕組みでした。

これは、髭剃りのジレットが柄を安く提供し、
替刃で儲けたビジネスモデルに由来するため、
「ジレットモデル」と呼ばれています。

ところが、世界のプリンター3強の中の
1社であるエプソンがそれを否定するモデルを
販売し始めています。

それは大容量タンクが積載され、印刷コストが
従来機の10分の1程度ですむモデルです。

これまで消耗品で儲けてきた自らの
ビジネスモデルを覆す「逆ジレットモデル」
とも言える方向転換です。

エプソンは、なぜ成功パターンを自ら否定
したのでしょうか?

実は、外から見えにくいビジネスモデル
にこそ、儲けのしくみが隠されています。

外から見えやすい部分は、他社からも
真似されやすく、すぐに同質化が起こったり、
価格競争が激しくなってしまいます。

そこで外部から見えにくいビジネスモデルに
焦点を当て、儲けのしくみや、競争優位の
真の要因を解き明かしたのが本書です。

著者は、早稲田大学ビジネススクール教授の
山田英夫さん。

本書では、企業の公開情報と現実のギャップを
埋める綿密なケース取材を重ねて、
手間と時間をかけてまとめました。

ちなみに、エプソンの「逆ジレットモデル」は、
インドネシアでインクジェットプリンターの
販売に苦戦していたことから始まりました。

インドネシアでは、現地の改造業者が勝手に
外付けタンクを作り、そこにインクを注入して
販売していました。

そのため、一度プリンターを購入してしまえば、
ユーザーがインクカートリッジを買うことはなく、
エプソンだけでなく、流通業者も儲からない
構造になっていたのです。

そこでエプソンが下したのは、
「そのようなプリンターが人気があるなら、
自らそれを作って販売しよう」
という決断でした。

こうした新興国での経験を踏まえて、
日本でも2016年2月から、大容量インクタンク
搭載のインクジェットプリンターを販売開始。

本書ではエプソンが成功した要因を
以下の4つと分析します。

第1に、知的財産権侵害の多い新興国での
アウトサイダーに対して、訴訟で争うのではなく、
良質な同等品を販売することで対処したこと。

第2に、新しい事業が既存の事業の売上を奪う
カニバリゼーションの懸念に対し、同じ事業部で
販売することで、「どちらでも売れればOK」
という大胆な発想の転換がなされたこと。

第3に、エプソンはレーザープリンターの
構成比率が低いという「弱み」を持っていたこと。

逆に、レーザープリンターが強い他社にとっては
それが逆ジレットモデルに参入する足枷に
なりました。

第4に、エプソンはプリンターを、
「紙に印刷する機械」という定義を超えて、
「情報を別の媒体に移植する手段」と再定義し、
事業領域を広げていること。

最後に、エプソンのこれまでの歩みから
引き継がれた企業のDNAがあったこと。

世界初のクオーツ時計やプリンターを
商品化してきた諏訪精工舎や信州精器時代からの
DNAが創造的破壊を後押ししたのです。

本書は、このような見えにくいところにある、
ビジネスモデルの「ツボ」を探り当てて、
「そうやって儲けていたのか」と思わず
膝を打つような事例を多く紹介しています。

さらに、事例紹介だけで終わるのではなく、
ビジネスモデル構築の方法も体系的に
まとめているので、非常に読む価値のある
一冊だと思います。

この本から何を活かすか?

コンビニでお金を引き出せたら便利。

これはかなり前から、セブン-イレブンに
寄せられていた声でした。

今では、どこのセブン-イレブンにも、
当たり前のようにATMが設置されていますが、
そうなるまでには、解決しなければならない、
いくつかの大きな問題点がありました。

その1つが、コンビニでは取引が出金だけに
偏るため、ATMに紙幣を補充するコストが
高くつくことでした。

どのようにして、セブン銀行はこの難題を
解決したのか?

その答えは、是非、本書でご確認ください。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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| 経営・戦略 | 05:11 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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