図で考える。シンプルになる。
2017年11月30日
付箋数:22
「図は、プレゼンツールである前に、
自分の考えを磨き上げて投影する思考ツール」
なぜ、図が思考ツールになるかというと、
図で書くに前にしっかりと内容を理解し、
どこにポイントを置くかを考え抜く
必要があるからです。
そして、関係性を整理して、その中から、
最も伝えたい1つの軸を決めて図にします。
この図解していく過程で、思考が磨き上げ
られるのです。
本書は、このようなコンセプトで書かれた本。
著者は、「図解するのが趣味」という、
インフォグラフィックエディターの
櫻田潤さんです。
ニューズピックスのクリエイティブ統括者
を務める方です。
「本書で紹介する図は驚くほどシンプルな
ものばかり。シンプルは嘘をつきません。
余計な飾りは、本質を見えにくくします。
真剣に向き合った結果にあるのが
シンプルなのです。
何かを理解するプロセスは、楽しい行為です。
しかし、複雑なものを複雑なままに
しておくことは、理解の楽しみを捨てる
ことにつながります。これは実にもったいない
ことです。
“図で考える。シンプルになる。”
このプロセスを通じて、理解の楽しみや
喜びを体感してください。」
本書の図解は、ある程度の練習をする
必要はあるものの、絵心やテクニックは
不要です。
「四角」、「丸」、「三角」、「矢印」、
「線」の5つパーツを使った、誰にでも
描ける図です。
本書で紹介される、7つの図とその使う場面は
次の通りです。
1.交換の図
誰と誰が何を交換する関係かがわかる図
・ビジネスモデルを見える化したいとき
・フェアな関係かを確認したいとき
2.ツリーの図
モノゴトがどんな構造で成り立っている
のかがわかる図
・情報が複雑にこんがらがっているとき
・モノや情報を綺麗に整理整頓したいとき
3.深掘りの図
なぜ今の状況が起きているのかがわかる図
・課題の要因を分析したいとき
・状況に対する打ち手を考えたいとき
4.比較の図
商品・サービスがどんな立ち位置にいる
かがわかる図
・ライバルを差別化したいとき
・購入対象を比較検討したいとき
5.段取りの図
計画をどんな手順で実行するかがわかる図
・実現までの段取りを明確にしたいとき
・手順のどこに問題があるかを考えたいとき
6.重なりの図
商品・サービスにどんな特徴があるかが
わかる図
・モノゴトのコンセプトを伝えたいとき
・競合商品やサービスの強さを伝えたいとき
7.ピラミッドの図
目指す方向とそこに行くまでの道筋が
わかる図
・会社のビジョンや戦略、戦術を伝えたいとき
・目標への到達手段を考えたいとき
本書で紹介する図を見ていると、
「本当にこんな簡単な図でいいの?」と
思えるものばかりです。
図で描くだけなら、かなりシンプルです。
だからこそ、自分で手を動かしながら、
その図に至るまでの思考の過程が
大事なのでしょう。
個人的には「これだったらデキる」と
思えたのが、本書の一番良かったところです。

本書の「比較の図」はいわゆる
2軸のマトリックス図です。
マトリックスでは、何を軸に置くかが
切れ味のいい図になるかどうかの決めてです。
この時に、一番重視する切り口を「縦軸」
に置くのがポイントのようです。
Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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