SHOE DOG(シュードッグ)
2017年11月24日
付箋数:24
世界的スポーツブランド「ナイキ」。
フィル・ナイトさんとビル・バウワーマンさん
によって1964年に設立された会社です。
ナイキはどのようにして、世界的シューズ
ブランドとして成功したのか?
ナイキの成功の影には、2つの日本の会社が
ありました。
1つは、アシックス。
正確には、アシックスの旧社名オニツカと
言ったほうがいいでしょう。
スタンフォード大学で経済学を学んだ
ナイトさんは、1963年に卒業旅行で
日本を訪れました。
そこで出会って感銘を受けた靴が、
オニツカタイガーでした。
ナイトさんは、そのまま神戸のオニツカ本社
まで足を伸ばし、役員にハッタリをかまして
売り込みました。
自分にアメリカでオニツカタイガーの
販売をやらせてほしいと。
それからオレゴン大学の陸上コーチだった
バウワーマンさんと共同で会社を設立し、
オニツカの輸入販売代理業務を開始しました。
つまり、ナイキの起源は日本で作られた
オニツカタイガーだったのです。
もう1つの、ナイキになくてはならなかった
日本の会社は、総合商社の双日です。
こちらも旧社名の日商岩井と言ったほうが
いいでしょう。
1971年、ナイキは輸入販売代店から脱し、
メーカーへの道を歩もうとしていましたが、
銀行で融資を断られ資金調達に困っていました。
しかし、東京銀行のポートランド支店に
行った際、こう言われました。
「そこのエレベーターを上がって9階に行くと
日商岩井があるから相談してみたら」
そのままナイトさんはアポなしで飛び込み、
日商岩井との取引をスタートさせました。
「アジアのことを考えると、真っ先に浮かぶ
のが日商岩井だ。日商という存在がなかったら
私たちはどうなっていただろうか。
日商の元CEOのマサル・ハヤミがいなかったら。
彼とはナイキが上場した後に知り合った。
必然的に私たちは絆で結ばれた。
私は彼にとって最も有益な顧客であり、
彼の教えを熱心に聞く生徒でもあった。
そして彼は私がこれまで出会った中で
最も賢い人かもしれない。
他の賢者と違い、彼の知恵のある言葉は
聞く者に大きな安らぎを与えてくれた。
私もその恩恵を受けた1人だ。」
ナイトさんから最高の賛辞を送られいる
マサル・ハヤミさんとは、第28代日銀総裁を
務めた速水優さんのことです。
本書は、500ページ超のナイトさんの自叙伝。
現在の華麗なナイキからは想像できない、
泥臭い自転車操業の会社だった頃の様子が
克明に描かれています。
創業メンバーたちとともに、悪戦苦闘しながら、
スポーツ用品界の巨人、アディダスとプーマを
凌ぐブランドへとナイキを育ていきます。
若干、ぶっちゃけ過ぎている感もありますが、
ナイキは、ナイトさんの人生そのもの。
ナイトさんの熱い生き様が、
そのままナイキの歴史になっています。
ナイトさんは、スタンフォード大で
MBAを取得したエリートです。
しかし、本書ではどちらかと言うと、
ナイトさんのダメな面がクローズアップ
されているので、読んでいて熱くなると
同時に好感が持てます。
ビル・ゲイツさん、ウォーレン・バフェットさん、
アンドレ・アガシさんといった各界の著名人が
本書を絶賛するのも納得できる一冊です。

ナイトさんが見て眠れなくなったという映画、
『最高の人生の見つけ方
ジャック・ニコルソンさんとモーガン・フリーマン
さん主演の映画です。
余命6ヶ月を宣告された二人の男が、
死ぬ前にやり残したことを実現するために
冒険に出る物語。
「死ぬまでにやりたいことリスト」作りで、
ナイトさんのように眠れなくなるのは
避けたいですが、この映画見てみようと思います。
Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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