大人の語彙力ノート 誰からも「できる! 」と思われる
付箋数:22
普段の会話やメールの中で、「大丈夫です」
と伝える機会はよくあります。
「その仕事、一人でできる?」と聞かれて、
「大丈夫です」。
「手伝おうか?」と聞かれ、「大丈夫です」。
便利な言葉ですが、何にでも使っていると、
語彙力のない人、教養のない人と思われて
しまいます。
あなたは、「大丈夫です」の言い換えを、
何パターン持っていますか?
まず、すぐ思いつくのが「問題ございません」。
相手の都合で予定を変更する場合などは、
「差し支えありません」も使えるでしょう。
しかし、これぐらいで打ち止めになって
しまう人も多いのではないでしょうか。
他には次のような言い換えがあります。
「子細ありません」、「子細に及びません」、
「支障ありません」、「不都合ありません」、
「お気持ちだけいただきます」
こういった言葉が、スッと使えると、
相手に「大人の語彙を持った人だな」
という印象を与えることができます。
時代の流れで、SNSなどのを利用する機会が、
ものすごく増えました。
その反動で、逆に正しい語彙、
豊かな語彙を使えるようになりたいという
ニーズも高まっています。
書店に行くと、語彙力を増やすための本が
何冊も並んでいます。
本書は、そんな中から、明治大学教授の
齋藤孝さんが著した一冊です。
「語彙力のない人は、決まりきった言葉、
あるいは子どもっぽい言葉しか使えません。
そうすると、正式な場面の挨拶で、
たとえば結婚式、あるいはお葬式で、
あるいはみんなの前でプレゼンテーション
をするとか、会を取り仕切るといった
場面で恥をかくことにもなってしまう。
そこで、フレーズとしてまずは使いこなせる
ようになってみようというのがこの本の
趣旨です。」
齋藤さんは、2015年に刊行した
『語彙力こそが教養である』の中でも、
語彙力の大切さを訴えていましたね。
本書では、8つのカテゴリーに分け、
ワンパターンの言葉使いから脱するよう、
大人として知っておきたい語彙を紹介します。
仕事で上司や取引先に書類などを
見て欲しいときに「見ておいてください」
だけでは大人の語彙としては足りません。
「お目通しのほどお願いします」、
「ご高覧ください」、「ご査収ください」、
「ご検収ください」、「ご精査ください」、
「ご笑覧ください」、「ご観覧ください」
こられの言い換えも、ニュアンスの違いを
正しく覚えて使い分けできるようになると
教養がある人というイメージを与えます。
また、あまり多く使わない言葉でも、
場面に合った言葉遣いができるように
なりたいものです。
例えば、相手のつらい状況に共感する場合。
こちらも心を痛めていることが伝わる
言葉が出てくると、その場がおさまります。
「ご心痛のほどお察しいたします」が、
自然と口から出てくるようにしたいですね。
また、相手を心配している気持ちを
伝える表現として「ご案じ申し上げます」
なども覚えておきたい言葉です。
本書は、自分で語彙が足りないと
自覚がある人も、そうでない人も、
一度は目を通しておきたい本です。

本書では、押さえておくカタカナ語として
以下の言葉が掲載されていました。(一部)
コンセプト、スキーム、フェーズ、マター、
タスク、フィックス、ブラッシュアップ、
ロジック、アジェンダ・・・
あまりカタカナ語を使い過ぎると、
中身が空っぽの印象を与えてしまいます。
しかし、これぐらいの言葉は、
意味と使い方を押さえておきたいものです。
Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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