活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

PREV | PAGE-SELECT | NEXT


≫ EDIT

マルチバース宇宙論入門

満足度★★★
付箋数:23

私たちが住む宇宙とは、別の宇宙が存在する
と考えるのは、SF的のように思えるかも
しれません。

しかし、私たちの宇宙は、唯一のものではなく、
無数にある宇宙の1つ に過ぎない可能性が
本当にあるようです。

宇宙は1つだけ存在するの単一宇宙
「ユニバース」と考えるのに対して、
宇宙が無数に存在するとする考えを
「マルチバース」と言います。

本書は、最新のマルチバース宇宙論の入門書。

著者は、カリフォルニア大学バークレー校教授で、
バークレー理論物理学センター所長を務める
理論物理学者の野村泰紀さんです。

野村さんは、これまでの宇宙論の歴史において、
今が最も面白い時代だと言います。

  「私自身の感覚では、現在は人類の長い
  宇宙の探求の歴史のなかでも特に面白い
  時期にあると思う。このような時代に
  理論物理学者としてそれに携わることが
  できるのは、幸せな限りである。」

一般の人にとっては、無数に宇宙が存在する
とは、感覚的に考えにくいものです。

この突拍子もないように思えるアイディア、
マルチバース宇宙論は、いったいどのように
発想されたのでしょうか?

本書で解説されるマルチバース理論が
科学者の間で受け入れられるように
なったのも、実はここ最近のことです。

野村さんが10年ほど前にある国際会議で、
マルチバース理論について発表したところ、
議長に「哲学についての発表をありがとう」
と揶揄されたそうです。

その時から大きく変わり、いまやこの理論が
スタンダードになりつつあります。

なぜなら、マルチバース理論は、
自然界の基本理論として最も有望と思われる
超弦理論や一般相対性理論の予言である
インフレーション現象などの自然な帰結
として説明できるからです。

実は、私たちが暮らす宇宙は、素粒子の
構造などから考えると、あまりにもうまく
できすぎています。

素粒子の標準模型に登場する
パラメータ値が恣意的であるように
感じられるほど整っているのです。

それは、生命、星、銀河などを含む
あらゆる複雑な構造が許されるように
極めて巧妙につくられているようにも
見えるほどです。

そういった「神」の行為とも思える状態を
説明できるのが、マルチバース宇宙論です。

これまでにあった物理学の多くのパズルの
ピースは、マルチバース宇宙論によって、
ピタッとおさめることができるようです。

本書は、そんな魅力的なマルチバース
宇宙論を数式などを使わずに解説する
入門書です。

野村さんは、一般の人向けであっても、
基本的な概念を誤魔化さずに、
かなり丁寧に説明しています。

そのマジメな説明があるので、
少しハードルが高く感じる方が
いるかもしれません。

しかし、基本的の部分を時間をかけて
何とか乗り越えると、本書は非常にうまく
説明されている良書だとわかります。

この本から何を活かすか?

マルチバース宇宙論はまだ発展途上の
理論です。

今後の新しい発見によって大きく覆る
可能性もあります。

実際、これまでの科学はそのようにして、
発展してきました。

しかし、野村さんは、そういったリスクを
とって最新の理論を紹介しています。

それは、最先端の興奮を伝えたいからです。

本書からは、そういった「熱」が伝わる
今読んでおいてよかったと思える本です。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
関連記事

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 科学・生活 | 07:23 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT















非公開コメント

TRACKBACK URL

http://ikadoku.blog76.fc2.com/tb.php/3155-dc24bbb3

TRACKBACK

PREV | PAGE-SELECT | NEXT