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読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

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技術屋の王国

満足度★★★★
付箋数:25

  「ホンダは、じつに不思議な会社である。
  なぜ、二輪、F1レースで世界の頂点に
  のぼりつめたばかりか、 “ASIMO” や
  ホンダジェットなど数々の “奇跡” を
  引き起こすことができたのか。
  トヨタ、フォルクスワーゲン、GMのように
  世界のビッグスリーの一角を占めるわけ
  ではない。年間の世界販売台数はおよそ
  500万台で、1000万台のビッグスリーの
  半分に過ぎない。当然、研究開発費は、
  超巨大企業に比べて潤沢とはいえない。
  であるのに、ホンダには、 “世界初” 
   “世界一”  “日本初” といった技術、
  製品が少なくない。」

ホンダは国内2位の自動車メーカーです。

しかし、自動車販売台数は、1位のトヨタの
約半分に過ぎず、自動車メーカーとしては、
世界7位に留まっています。

ちなみに、トヨタ自動車や日産自動車と
違って、ホンダは「ホンダ自動車」では
ありません。

ホンダの社名は「本田技研工業」で、
英名では「ホンダモーター」です。

つまり、動力を発生するモーターが
載ってさえいれば、何でもアリの会社です。

そんな自由な社風があったからこそ、
「ASIMO」や「ホンダジェット」の開発が
成功したのです。

ホンダジェットは、2015年12月10日に
アメリカ連邦航空局の型式証明を取得。

型式証明とは、政府が航空機の安全性や
環境の基準を満たしているかの審査を行い、
その基準に合格して発行されるものです。

航空機は型式証明がなければ、実用機として
その国の空を飛ぶことはできません。

なかでも米国の型式証明は取得が最も難しく、
事実上の国際標準になっています。

ホンダは、無謀な挑戦と言われながらも、
ゼロから航空機の開発を始め、30年の歳月を
かけて型式証明の取得に成功しました。

  「ホンダは、30年もの間、1円の利益も
  あげない航空機の研究開発を継続した。
  ホンダジェットは、長い助走を経て、
  ようやく離陸したのである。
  世界には数多の自動車メーカーがあるが、
  航空機メーカーを兼ねているのはホンダだけ
  である。そればかりか民間の航空機産業では、
  エンジンメーカーと機体メーカーは
  それぞれ別に存在するのが業界の常識だが、
  後発の航空機メーカーのホンダは両方を
  手掛ける。これも世界に例がない。」

本書は、独自の哲学を持つ技術屋として、
世界を魅了するホンダの物語。

ホンダジェットの開発ストーリーを軸に、
ホンダの持つ「不思議力」に迫ります。

ホンダジェットの開発秘話の本としては、
前間孝則さんの『ホンダジェット』や
杉本貴司さんの『大空に賭けた男たち
などの良本が過去に刊行されています。

本書は、ホンダジェットの開発だけに
限らず、本田技術研究所の体質に注目。

奇人・変人・怪人が集まる基礎技術研究所の
風土にも迫り、ASIMOの開発秘話なども
からめて、話を進めます。

本田技術研究所は創業者の本田宗一郎さんと
参謀の藤沢武夫さんが設立した組織です。

  「研究所を本社から分離することで、
  目先の業績に左右されない自由な研究環境が
  実現できるだけでなく、一般的な企業の
  ピラミッド型組織と異なるフラットな組織の
  実現も容易に行え、研究員に対する待遇も
  改善できる」

このような理念によって設立されました。

基礎研究機関を独立させる企業はありますが、
ホンダのように開発までも含めて別会社で
運営している例は他にありません。

本書は、経済ジャーナリスト片山修さんが、
入念な取材をもとに書いた、技術屋としての
ホンダの魅力を伝えるドキュメンタリーです。

この本から何を活かすか?

ホンダジェットは、主翼の上にエンジンを
配置する、非常にユニークな機体設計です。

これは既存の航空機メーカーではタブーと
されていました。

航空機を知り尽くすボーイングの設計者
からは、「ホンダは何もわかっていない」
と陰口も叩かれていたそうです。

しかし、航空機メーカーでなかったからこそ、
ゼロから発想して、「主翼の上」という
最適なエンジン配置を発見できました。

ホンダの設計者、藤野道格さんは、
この開発で米国航空宇宙学会(AIAA)から
航空機設計賞を受賞しています。

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