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ikadoku

ビジネス書・ベストセラー本・科学本を中心に13年以上、ひたすら本を紹介し続けるブログ。既に紹介した本は3700冊以上。

論理的思考 最高の教科書

2017年10月06日
問題解決・ロジカルシンキング・思考法 0
満足度★★★★
付箋数:24

次の2人の会話は、あまり噛み合っていません。

噛み合わない原因はどこにあるのでしょうか?

 先生:前回の試験の成績があまり芳しく
    なかったね。努力しないと成績は
    よくなりませんよ。

 学生:よく分っています。自分なりに努力は
    しています。試験前には1日に8時間程度
    勉強しています。ただ、いまのところ
    結果に結びついていないだけです。

 先生:そうかな。努力しているとは思えないな。
    だって、成績が伸びていないじゃないか。

ポイントとなるのは「努力」という言葉の
使い方です。

科学哲学者のノーウッド・ラッセル・ハンソン
さんは、言葉を2つに大別しました。

直接観察できる対象や性質を示す言葉のことを
「観察語」と呼びます。

一方、目で見えない対象や性質を示す言葉
のことを「理論語」と呼びます。

「理論語」というネーミングからすると、
わかりやすい言葉のようなイメージを持つかも
しれませんが、実際はその逆です。

理論語は、目に見えないものを表すので、
使用する「範囲」と「条件」を明示しないと
使えない語のことです。

冒頭の先生と学生の会話では「努力」が、
この理論語に当たります。

「努力」は直接に観察することができない
抽象的な概念です。

つまり、何をもって「努力」とするのか、
その範囲と条件が明示されていないまま
この言葉を使っているため、2人の会話は
噛み合っていないのです。

私たちは、何かの発言をするときに、
気づかずに理論語を使っていることがあります。

それが議論や討論が噛み合わない原因に
なっている場合が多いのです。

さて、本書は「論理的思考」をするための
基礎的なトレーニングを積むための本です。

著者は、早稲田大学文学学術院文学部
心理学コース教授の福澤一吉さんです。

誤解を生まないように「論理的思考」とは、
何を示すのか、本書での基礎的な定義を
確認しましょう。

  1. あることを前提にそこから何か新しいこと、
   結論を導き出す際に、

  2. 語と語、句と句、文と文などの関係に
   注意が払われていること

この定義の前半、1の部分は「思考」の
意味を表しています。

あることを前提に、そこから何か新しいことを
導き出すのが、「論証」の定義でもあります。

前提は、「根拠」とか「経験的事実」とも
呼ばれ、新しいことは、「結論」とか「主張」
とも呼ばれます。

定義の後半、2の部分は、「論理」を
表しています。

論理とは、語と語、句と句、文と文などの
関係性のことを指します。

つまり、論理的であるとは、文と文の
接続関係に注意を払うことに他なりません。

接続表現を正確に使うことが、
論理的思考の根幹にあるのです。

本書では、論理とは何か、論理的に思考する
とは何か、演繹と帰納はどのように違うのか
など、順を追ってわかりやすく解説します。

 第1章 論理的思考についての誤解を解く
 第2章 主張と主張をつなぎ合わせる
 第3章 論証の二大分類:演繹的論証と帰納的論証
 第4章 帰納的論証の詳細
 第5章 仮説演繹法
 第6章 論証を通して推論上の誤りに敏感になる
 第7章 認知スタイルを通して論証上の誤り
    に敏感になる
 第8章 相関と因果と論証

本書は、新書版の190ページ程の本ですが、
非常にわかりやすくまとまっています。

また、多くの練習問題も掲載されていて、
論理的思考のトレーニングを積める
コストパフォーマンスの高い本だと思います。

この本から何を活かすか?

「仮説演繹法」とは、科学的研究で一般的に
使われる手法の1つです。

これは、「帰納」と「演繹」の2つの論証を
組み合わせた強力な手法です。

 ステップ1 帰納法を使ってデータから仮説を作る
 ステップ2 仮説から予測を演繹する
 ステップ3 予測の内容を実験的に検証する
 ステップ4 実験結果から予測が正しいか検討する

仮説演繹法は、最初に帰納的論証で仮説を形成し、
予測を演繹的論証で導出し、実験結果をもとに
仮説の正否を再度、帰納的論証を使って決定する
流れとなります。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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この記事を書いた人: ikadoku
毎朝4時に起きて本を読み、13年以上ブログで紹介記事を投稿しています。北海道在住。たまに旅行で長期の休みを取ります。

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