活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

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不道徳な見えざる手

満足度★★★
付箋数:22

「釣り師」は、ルアー(疑似餌)を水に入れて、
用心深い魚が通りかかり、間違いをしでかし、
捕まるのを待ちます。

これは本当の釣りだけの話ではありません。

市場経済において、売る側は多少なりとも
こうした釣り師の要素を持っています。

一方、「カモ」は理由はどうあれ、
うまいこと釣られてしまう人のことを言います。

  「経済とは、釣り師とカモの永遠の闘い」

本書は、釣り師とカモという観点から、
経済について書かれた本です。

  「本書の狙いは、カモを釣る例をたくさん
  挙げて、それが私たちの生活にどれほど
  影響しているかを示すことだ。
  人々の活動、思考、目標、そして目標の失敗に
  影響が見られている。一部の事例は日常生活、
  たとえば自動車、食べ物、薬、売買したり
  暮らしたりする家に関するものだ。
  他はもっと系統的で専門的なものになる。
  たとえば金融市場だ。
  でも何よりも、検討すべき事例は社会政策にも
  深遠な影響を持つ。特に政府が自由市場の足を
  引っ張るのではなくそれを補うためには
  どうしたらいいかという点について――
  というのも、コンピュータが悪意あるソフトに
  対する保護を必要としているのと同様に、
  私たちももっと広く定義されたカモ釣りに
  対する保護を必要としているからだ。」

本書は経済に仕組まれた詐欺の仕掛けに、
私たちが引っ掛からないように書かれた本。

著者は、ジョージタウン大学教授で、
2001年にノーベル経済学賞を受賞した
ジョージ・A.・アカロフさん。

もう1人は、イェール大学スターリング経済学
教授で、2013年にノーベル経済学賞を受賞した
ロバート・J・シラーさんです。

この2人のノーベル経済学賞受賞者は、
2009年に刊行された前著『アニマルスピリット
でもコンビを組んでいます。

本書は、『アニマルスピリット』の続編と
位置づけていいかどうかわかりませんが、
同じコンビで経済の仕組みについて語ります。

賢明で誠実なあの人が、なぜいとも簡単に
騙されてしまうのか?

人はなぜ、知らず知らずのうちに不道徳な
振る舞いをしてしまうのか?

カモ釣りは、いたるところに存在していて、
人は驚くほど、カモとして釣られています。

それは経済が誕生したときからデフォルトと
して仕組まれた罠で、市場経済がある以上、
決してなくすことはできないもの。

ならば、詐欺が仕掛けられている事実を知り、
消費者として少しでも最善の選択をするために
自衛しましょうということです。

本書では、結婚式、お葬式、住宅購入、
医薬品、選挙、広告、ポテトチップスなど、
身近な例を挙げ、経済の裏側の仕組みが
解説されています。

  「結局のところ、本書には “新しい経済学” 
  と見なせるようなものは何もないかも
  しれない。私たちが経済学の相当部分を
  新しく発明しなおそうとしたなら、
  正しくもなければ説得力もないだろう。
  でも私たちの狙いはちがうところにある。
  私たちはカモ釣りが古い経済学からの
  通常の教訓とはかなりちがった結論を
  もたらすということを示そうとしたのだ。」

個人的には、経済のすべてをカモ釣りの
観点から語るのは、斬新であるものの、
多少無理があるようにも感じました。

本書で示された2人の考えについては、
賛否の意見が別れるところだと思います。

この本から何を活かすか?

本書は、あまり読みやすい本とは言えません。

それは邦訳に問題があるのか?

本書の翻訳者は、ポール・クルーグマンさん
の本などクセのある著者の翻訳には定評のある
山形浩生さんです。

私が、山形さんのこれまでの翻訳本を
読んできた限りでは、本書が読みにくいのは
やはり原書の問題だと思います。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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| 経済・行動経済学 | 05:58 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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