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読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

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「夜遊び」の経済学

満足度★★★
付箋数:22

  「 “夜は寝るもの” という社会的認知が
  未だ根強い我が国においてはナイトタイム
  エコノミー振興政策は未だ社会的ムーブメント
  にまでは至っていないが、海外においては
  既に多くの国々がその重要性を認知し、
  取り組み始めている。」

ナイトタイムエコノミーとは、日が落ちた
以降夕刻から翌朝までの間に行われる
様々な経済活動の総称です。

ナイトタイムエコノミーの中心となるのは、
レストランやバーなどの飲食店や、
ライブハウスや劇場などの娯楽施設です。

しかし、それだけには留まらず、
習い事などの教育関連事業もあります。

更には、インフラとしての深夜交通、
電力、ガス、上下水道、通信、夜間医療
などまでがナイトタイムエコノミーに
含まれます。

なぜ、今、ナイトタイムエコノミーが
世界中で注目されているのでしょうか?

それは、現在「遊休」となっている
都市資産を活用して、新たな消費機会を創出し、
域内事業者の収益性を向上させる施策だから。

私たちの経済活動は、「消費意欲」と「予算」
があっても、必ずしもそこに消費が発生する
わけではありません。

消費が発生するためには、相応しいタイミング、
「消費機会」がなければいけません。

その「消費機会」を増やして、国や地域の
経済活性化に繋げる施策が本書で解説される
ナイトタイムエコノミーなのです。

例えば、イギリスでは都市圏域に空洞化が
起こり始めた1990年代初頭からナイトタイム
エコノミー振興に力を入れ始めました。

現在では、イギリス国内のナイトタイム
エコノミーの経済規模は約10兆円にも達し、
直接雇用数でも130万人を超える雇用主産業に
なっているようです。

では、日本のナイトタイムエコノミー振興への
取り組みはどうなっているのか?

地域や業種によって、一部行われているものの
まだまだ未着手に近い状態です。

それは、農耕を中心として形成されてきた
日本の文化の根底には、「お天道様と共に
目覚め、お天道様と共に寝る」という生活が
正しいという認識があるからです。

本書は、日本におけるナイトタイムエコノミー
に対する偏見を払拭し、その経済力の大きさと
振興の必要性を説くために書かれた本です。

著者は、日本で数少ないカジノ研究者で、
国際カジノ研究所所長の木曽崇さん。

本書では、国内外の多くの実例を紹介しながら、
ナイトタイムエコノミーを経済成長に生かす
方法を考察します。

最終章では、木曽さんの専門であるカジノ、
あるいはカジノを中心とした統合型リゾート
(IR)の導入について詳細な解説があります。

統合型リゾートは、ナイトタイムエコノミーの
究極の複合体です。

現在、日本でも国や各自治体において、
IR導入に向けた準備が進められていますが、
本書では、海外の成功例・失敗例を見ながら、
その施策の形や将来像について論考しています。

個人的には、あまり夜に活動しないので、
ナイトタイムエコノミーには貢献していませんが、
国や地域の経済振興のために必要な施策である
ことはよく理解できました。

  第1章 強力に「消費」を促す夜の経済
  第2章 「世界」で成長する夜の産業
  第3章 夜の「観光」を振興する
  第4章 街を活性化する「深夜交通」
  第5章 キッカケをつくる「生産性向上」と
     「法改正」
  第6章 来るべき「リスク」に向けて
  終章 「統合型リゾート」と「カジノ」

この本から何を活かすか?

ナイトタイムエコノミーを活性化するためには、
新しい店舗や施設が必要なわけではありません。

本書で、日本の成功事例として紹介されて
いるのは、「新宿のゴールデン街」です。

観光客は入り組んだ路地を散策しながら、
気になる店を見つけてチョイ飲みをします。

狭小の店舗が逆に「ハシゴ酒」には丁度よい
環境となって成功しているようです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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| 経済・行動経済学 | 05:57 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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