活かす読書
ikadoku

ビジネス書・ベストセラー本・科学本を中心に13年以上、ひたすら本を紹介し続けるブログ。既に紹介した本は3700冊以上。

幸福の「資本」論

2017年07月28日
人生論・生き方・人物・哲学 0
満足度★★★★
付箋数:25

  「この本が生まれるきっかけは “幸福な人生” 
  の土台についてライターの渡辺一朗さんから
  インタビューを受けたことで、それをもとに
  過去の著作をアップデートするかたちで
  一冊にまとめました。(中略)
   “人生設計については書きつくした” 
  という気持ちがあったのですが、今回、
   “3つの資本=資産のポートフォリオ” 
  という視点から幸福の “資本” 論を
  まとめてみると、また新しい発見が
  あることに気づきました。」

本書は、私たちが持つ「3つの資本」から、
「幸福に生きるためのインフラ」の設計に
ついて考察する本です。

著者は、『マネーロンダリング』や
お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方
などで知られる橘玲さんです。

橘さんの著作は、独自の視点と、
そこからスキのない論理を組み立て、
身も蓋もない結論に辿り着くのが特徴です。

本書は、過去の著作の集大成的な意味合いも
ありますが、橘さんらしい特徴の出た本に
なっています。

人によっては、「理屈っぽい」と感じますし、
一方では「目から鱗」と感じる方も多いと
思います。

さて、本書は「人の幸せ」を築くための
「3つの土台(インフラ)」に焦点を当てて
いますが、3つとは、「金融資産(資本)」と
「人的資本」と「社会資本」です。

これらは、幸福の条件として「自由」、
「自己実現」、「共同体=絆」の3つを
挙げたときに、それぞれに対応するものです。

金融資産とは、そのものズバリ、
持っている(換金できる)お金のこと。

人的資本とは、その人の稼ぐ力のことで、
富の源泉になります。

社会資本とは、「つながり」、すなわち
人間関係のことです。

ちなみに、この3つの土台の中でも、
極めて重要なのは社会資本です。

なぜなら、「幸せ」は社会資本からしか
生まれないからです。

この3つの土台は、きわめてシンプルですが、
だからこそとても強力です。

本書の提案に則って正しく人生を設計すると、
誰でも「幸福の条件」が手に入ると
橘さんは述べています。

本書では、「超充」、「リア充」、「旦那」、
「金持ち」、「退職者」、「ソロ充」、
「プア充」、「貧困」の8つの人生パターンと
3つの土台の関係を見ていきます。

例えば、プア充は金融資産と人的資本を
ほとんど持っていませんが、社会資本だけを
持っています。

また、退職者は金融資産だけを持った人で、
ソロ充は人的資本のみを持った人になります。

  「資本をひとつしか持っていないと、
  ちょっとしたきっかけで貧困や孤独に陥る
  リスクが高くなることがわかります。
  それに対して2つの資本を持つことができれば、
  人生の安定感ははるかに増すでしょう。
  ただし3つの資本=資産を同時に持つ
   “超充” になることはおそらく不可能です。
  ―― その理由はお金と共同体の道徳が
  対立するからです。」

本書を読んだかたといって、幸福感が
高まる訳ではありません。

本書の幸福論を、何かしら自分の人生に
生かすのか、ただの幸せの結論として
認識するのかは、読者次第だと思います。

この本から何を活かすか?

  「マイケル・ジャクソンの『THIS IS IT』は、
   “幸福” とは何かを考えるうえで必見の
  映画です。(中略)
  富も名声もなにもかも手にしたスーパスターは
   “幸福” だったのでしょうか。人生の最後まで
  理想のエンタテインメントを追求したという
  意味では、本望だったのかもしれません。
  しかし『THIS IS IT』を観て、マイケルの
  人生に憧れるひとはいないでしょう。
  その表情からは、とてつもないプレッシャーに
  押しつぶされていく苦痛しか伝わってこない
  のです。」

私も『THIS IS IT』は見ましたが、
橘さんのような視点で考えていませんでした。

確かに、「限界効用の逓減」があることが、
わかる実例になっていますね。

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この記事を書いた人: ikadoku
毎朝4時に起きて本を読み、13年以上ブログで紹介記事を投稿しています。北海道在住。たまに旅行で長期の休みを取ります。

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