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経済指標のウソ 世界を動かす数字のデタラメな真実

満足度★★★
付箋数:24

  「経済についての誤った前提が、国の経済政策
  や国際戦略の基盤になっているとしたら
  どうだろう。2008年~2009年の世界金融危機
  以降、先進国の混迷が長引く原因がここに
  あるとしたら?

  世界は経済指標によって定義されている。
  経済成長や所得、雇用など、個人や集団の
  経済動向を示す統計を、私たちは成功や失敗を
  測る絶対的な標識とみなす。
  だが、こういった数字は、どれも100年前には
  存在していなかった。1950年の時点でさえ、
  ほとんど誕生していなかったのだ。
  それなのに、現在ではまるで自然法則である
  かのように尊重されている。」

私たちは失業率やGDPなどの経済指標を
当たり前のように使って、それを信じています。

経済指標によって政府の支持率が変わり、
状況によっては政権交代の引き金になる
こともあります。

民間でも、経済指標を経営や投資の
判断基準としている企業もあるでしょう。

しかし、経済指標は万能ではありません。
表せるものと、表せないものがあります。

あなたは、1950年代・昭和20年代に作られた
地図を使って、目的地を探しますか?

作られた当時は、地図の役割を
十分に果たしていたはずです。

しかし、それから80年近くが経過すると、
当時なかった道路や橋が作られ、ほとんどの
建物は新しくなり、まったく別世界という
様相を呈しています。

地図が1950年代に作られものだと知らずに
そのまま使うと、間違いなく混乱を招く
ことでしょう。

実は、私たちが使っている経済指標にも
それと同じことが起こっているのです。

あくまで経済指標は、考案された当時に、
意図されたものだけが反映しているのです。

  「統計に基づいて作られた地図は、経年劣化の
  兆候を示している。複雑な世界をシンプルな
  数字で理解したいと願うあまり、私たちは
  経済指標にも歴史があり、考案された理由が
  あることや、長所もあれば限界があることを
  忘れがちだ。」

本書は、経済指標が考案された歴史を紐解き、
その当時何が見えていたかを確認すると共に、
経済指標の限界を解説する本です。

著者はアメリカの経済・投資情報会社の代表を
務め、コメンテーターとしてCNBCやCNNにも
レギュラーで出演するザカリー・カラベルさん。

 ・GDP : 市場で値がつかない技術革新を無視
 ・失業率 : そもそも「失業者」は数えられない
 ・物価指数 : すべての物価は反映されていない
 ・貿易収支 : 部品は輸入品に入っていない

世界を動かしている経済指標には、
時代の変化と共に多くの欠陥が生じ、
もはや実態を表していないものが存在します。

本書では、そんな経済指標について、
作られた経緯を丁寧に見ていきます。

タイトルほど過激な内容ではなく、真面目に
淡々と経済指標史を解説しています。

 第1章 すべての経済指標には意図がある
 第2章 「失業者を数える」という無理難題
    ―― 失業率
 第3章 家事労働に経済的価値はないのか
    ―― GDP
 第4章 「所得」で世界の序列が決まる
    ―― 国民経済計算
 第5章 景況感は数値化できるのか
    ―― 消費者信頼感指数
 第6章 「物価の測り方」が政争のタネになる
    ―― インフレ率
 第7章 経済指標が無条件に崇拝される
 第8章 アメリカの対中貿易赤字はもとから
    存在しなかった ―― 貿易収支
 第9章 「幸福」は数値化できるのか
    ―― 国民総幸福量
 第10章 我々は経済指標とどう付き合うべきか

この本から何を活かすか?

iPhoneは、言わずと知れたアップル社の
製品で、アメリカのイノベーションの象徴です。

しかし、製造は中国製。

つまりiPhoneがアメリカで売れば売れるほど、
アメリカの貿易赤字は増えることとなります。

貿易収支は、考案された当初、製品の原産国が
1つ以上あることが想定されていませんでした。

そのため、現在のように企画と製造の国が
違っていたり、複数の国で部品が作られて
いると、実態をうまく表すことができません。

現在のように付加価値の構造が複雑化すると、
もはや正確に測定することは不可能なのです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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| 経済・行動経済学 | 06:14 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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