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ikadoku

ビジネス書・ベストセラー本・科学本を中心に13年以上、ひたすら本を紹介し続けるブログ。既に紹介した本は3700冊以上。

数学的コミュニケーション入門

2017年06月25日
コミュニケーション 0
満足度★★★★
付箋数:25

ビジネスパーソンにとって、最も大切な能力の
1つは「コミュニケーション能力」です。

では、コミュニケーション能力はどのように
鍛えることができるのでしょうか?

その1つの方法が「数学的」になることです。

例えば、あなたが営業マンだったとしましょう。

訪問先でお客様が、突然、次のような質問を
してきました。

  「このオプションAとオプションBをつけて、
  さらに弊社向けに若干のカスタマイズをして、
  3ヶ月後に納品いただくとしたら、
  どれくらいの見積もりになりますか?」

あなたのリアクションは次のどちらでしょうか。

  1.「ちょっとわかりかねます。
   社に持ち帰らせていただけますか」

  2.「正確な金額は後日提示するとして、
   ざっくり1000万円くらいでしょうか」

この2つのリアクションのうち、
「数学的」な回答は2番目です。

それは、ざっくりした概算を示すことで
「定量化」しているからです。

「数学的」と聞くと、正確に計算しなくては
ならないとと考えがちですが、ビジネス上の
コミュニケーションでは、目安となる
ざっくり概算が必要なシーンも多いのです。

この見積もりを依頼したお客様の場合も、
そもそも予算から大きく外れているなら、
商談にさえならないと考えているはずです。

概算でも構わないので、まずどれくらいの
規模感なのかを知りたいことが多いのです。

数学的コミュニケーションができない人は、
この定量化が苦手。

  「駅前に新しくできたレストラン。
  大行列ができていたよ!」

日常会話のなかでも、このように聞くと、
「大行列って、一体どれくらい?」と
具体的にイメージできる基準を
知りたくなるものです。

これがビジネスでの会話なら、
なるべく相手には「どのくらい?」と
思わせないようにしたいものです。

定量化がうまい人は、最初に「定義」から
始めます。

この定義をきちんとやっておかないと
コミュニケーションに齟齬が生じます。

そして、定量化して「比べる」ことで、
判断をしていくのです。

本書の著者、深沢真太郎さんは、
数学がコミュニケーションを劇的に変える
切り札になると考えています。

  「まず伝えるための数字をつくり、
  伝わりやすくなるようにグラフを用意し、
  納得してもらえるよう伝え方を考え、
  簡潔にわかりやすく伝える。
  このプロセスを数学的に進めることで、
  コミュニケーションの質を飛躍的に
  高めるのです。」

これからは文系のビジネスパーソンに
とっても数学的スキルが必要なのです。

 第1章 数字の作り方
 ―「なるほど」と言わせる「定量化」の技術

 第2章 グラフの使い方
 ―資料を「一目瞭然」にする技術

 第3章 論理的なシナリオのつくり方
 ―成功するプレゼンの準備術

 第4章 数学的な話し方
 ―わかりやすく説明する技術

ちなみに、本書の電子書籍版(Kindle版)
には限定特典として「伝わる文章の書き方」
が収録されていつのでお得です。

当ブログでは先日、深沢さんの
数学的に考える力をつける本』を
紹介したばかりです。

この本は、本書の第4章の部分を深掘りした
本と言えます。

私は先に『数学的に考える力をつける本
を読みましたが、コミュニケーションの
質を上げる全体像を掴むためには、
本書を先に読んだ方がいいと思います。

コミュニケーションが感覚的になりがちな
方には、いずれの本もオススメできます。

この本から何を活かすか?

大人数にプレゼンテーションする場合は、
全員に同じ程度、「なるほど」と思わせる
ことはできません。

プレゼンの原則は、「特定の1人」を
「なるほど」と納得させること。

つまり相手を明確に「定義」することが
伝える秘訣です。

ですから人気のあるセミナー講師は、
その日のターゲットを1人決めてから、
話を始めるそうです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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この記事を書いた人: ikadoku
毎朝4時に起きて本を読み、13年以上ブログで紹介記事を投稿しています。北海道在住。たまに旅行で長期の休みを取ります。

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