活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

PREV | PAGE-SELECT | NEXT


≫ EDIT

超能力微生物

満足度★★★
付箋数:23

  「微生物は神出鬼没の生命体である。
  とうてい考えることのできない不可思議な
  生命体である。人間界では想像できない、
  怪しいほどの生命体である。
  その大体の大きさは、1ミリメートルの
  500分の1、いやそれ以下で1000分の1、
  もっともっと小さくて1万分の1しかないのに、
  とんでもなく強かに生きていて、
  ちょっとやそっとではへこたれない。」

本書は、驚異的な微生物の能力について
解説して、その有効利用についても伝える
本です。

著者は、東京農業大学名誉教授で、
ありとあらゆる微生物および発酵食品を
研究対象とし、世界中の発酵食品を味わい
つくしている小泉武夫さん。

本書で、「超能力微生物」と呼んでいる
微生物は、オカルト的な力が宿っている
ということではありません。

人間を含めた通常の生物では到底
考えられないような、とてつもない力を
秘めている微生物をこう呼んでいます。

では、一体、微生物にはどんな力が
あるのでしょうか?

小泉さんは、本書の「はじめに」で、
その驚くべき3つの力を紹介しています。

まず第1に、気が遠くなるほど長い間、
形や性質を変えないで生き続けている
微生物がいるということ。

今から何十億年も前の地球の創世記に
生まれた古細菌は、今日まで生まれたままの
姿で生き続けています。

第2に、地球上のびっくり仰天するような
ところにまで住んでいるということ。

ジェット機が飛ぶ遥か上空に浮遊していり、
海底水深6500メートルで生息していたり、
南極の極寒でも凍らずにいたり、
ヨルダンの塩湖・死海の中でも平気で
生きていたりする微生物もいます。

第3に、逆境に耐える恐ろしいほどの底力を
持っているということ。

特にスゴいのは、人間の皮膚についたら、
たちまち重度の火傷を負うような濃硫酸の
中でも育成可能なスーパー耐性菌です。

さらには、人間が死に至る放射線の1000倍
以上の殺人光線ともいうべきガンマ線に
耐えうる菌の存在も見つかっています。

小泉さんが本書で主張したかったのは、
これだけ多くの超能力微生物が存在するので、
遺伝子組換えやゲノム編集に頼らなくても、
自然界から人類に役立つ微生物を得られる
ということです。

むしろ古典的なバイオテクノロジーの技術、
発酵や分離によって、効率よく自然由来の
微生物の性質を入手できるのです。

そして、小泉さんはIT革命ならぬ、
「FT革命」が人類を救うと言っています。

FT革命の「F」は発酵(Fermentation)の
頭文字です。

発酵が、人類が直面する「環境」「食料」
「健康」「エネルギー」の問題を解決する
鍵になるという考えです。

小泉さんは15年前からFT革命を提唱して
いますが、実際に実用化が進んでいる
研究もかなりあるようです。

また、本書では小泉さんが食べた、
発酵食品のグルメエピソードも豊富に
紹介され、読者を楽しませてくれます。

この本から何を活かすか?

この地球上で最も珍しい発酵食品は何か?

この質問に、小泉さんは迷わず答えます。

  「それは日本の石川県でつくられるフグの
  卵巣の糠漬けでしょう。世界広しといえども
  全く他に例のない驚くべきもので、
  単独で食の『世界遺産』に登録できる
  ほどのものであります。なにせ、あの猛毒が
  詰まっているフグの卵巣を食べてしまう
  民族など、発酵の知恵者である日本人以外、
  見当たりません。」

微生物の発酵の力を借りて、3〜4年もの
時間をかけて、フグの猛毒を解毒する製法は、
江戸時代から行われているようです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
関連記事

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 科学・生活 | 06:09 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT















非公開コメント

TRACKBACK URL

http://ikadoku.blog76.fc2.com/tb.php/3065-e0b52920

TRACKBACK

PREV | PAGE-SELECT | NEXT