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なぜ、残業はなくならないのか

満足度★★★
付箋数:22

  「 “日本企業の残業は、なぜなくならないのか”
  あえて空気を読まずに回答しよう。
  その答えは簡単だ。

  残業は、合理的だからだ。
  残業もまた、柔軟な働き方だからだ。
  残業しなければならないように、労働社会が
  設計されているからだ。(中略)

  本書により、日本の “残業” の、憎らしい
  ほどの合理性について理解が深まることを
  期待する。 “働き方改革” なる取り組みが
  この “魔物” とどこまで真剣に向き合うのか、
  問い糾したい。」

本書の著者は、働き方評論家の常見陽平さん。

常見さんは、本書で「残業」の本質を理解し、
いかにこの問題に立ち向かうかを議論し、
政府が進める「働き方改革」の矛盾点を
指摘します。

まず、なぜ残業が「合理的」と言えるか
というと、それは日本の雇用システムや
仕事の任せ方から考えると必然的に発生する
ものだから。

仕事の任せ方は、「仕事に人をつける」方法と
「人に仕事をつける」方法の2つがありますが、
前者が欧米型で、後者が日本型です。

「仕事に人をつける」と業務内容や責任を
明確にすることができます。

仕事が定型化・標準化しやすく、
仕事の引き継ぎもしやすくなります。

一方、「人に仕事をつける」方法では、
ある人に複数の業務が紐付けられることに
なります。

複数の仕事が任せられるがゆえに、
仕事の範囲が広がっていき、仕事の終わりが
見えなくなっていきます。

勿論、この方法にもメリットがあって、
マルチタスク化や多能工化が進み、
それぞれ専任を雇わなくてすみます。

この働き方に残業を加えると、人手不足や
仕事の繁閑に柔軟に対応できるのです。

残業が日本の社会に合った合理的なものなら、
本当に「なくすべきもの」なのでしょうか?

常見さんは、本書で残業の合理性を礼賛する
つもりはなく、次の3つの観点から、
やはり「なくすべきもの」と考えています。

1. 安全衛生管理の問題

 労働時間が長くなると、各種疾病にかかり
 やすくなります。特に人命に関わる面では
 重大で、過労死や精神疾患を防ぐ意味でも
 残業は抑制しなくてはなりません。

2. 労働への参加者を制限する側面

 長時間労働ありきのために、正社員総合職に
 なるためには、それを前提とした働き方を
 しなければなりません。特に育児や介護と
 両立する人の労働への参加を制限する側面が
 あります。

3. ワーク・ライフ・バランス、

 クオリティ・オブ・ライフの問題
 人生は仕事だけではなく、仕事と生活を
 それぞれ充実させる取り組みが必要です。

こうした問題に対して政府が取り組むのが、
「働き方改革」です。

その中で労働時間と賃金を切り離す考え方が
議論され続けてているのが、
「ホワイトカラー・エグゼプション」や
「高度プロフェッショナル制度」です。

これらは「人の定額使い放題」の制度であり、
ますます労働時間の「みえる化」ならぬ、
「みえない化」が進むとも言われています。

常見さんは本書で、様々な角度から
「働き方改革」を検討し、それが茶番になる
可能性を指摘しています。

この本から何を活かすか?

では、政府の施策がダメなら、実際に残業を
減らすには、どのようにしたらいいのか?

常見さんが、働き社会への処方箋として
提案するのが、「トヨタ生産方式」の
ノウハウを働き方改革に活かすことです。

それは、まず状況を把握するために
「はかって」、そこからムリ・ムラ・ムダを
明らかにして、改善プランを考えます。

これはモノづくりの現場だけでなく、
非製造業においても可能であるとの考えを、
常見さんは本書で示しています。

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