活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

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牙を研げ 会社を生き抜くための教養

満足度★★★★★
付箋数:28

  「私自身が過去に教養関連で出した
  ほとんどが、 “間接に” 役立つ、
  哲学、神学、マルクス経済学、歴史学
  などの本だった。今回は、 “直接に” 
  役立つ本を作ってみようと思った。」

本書は佐藤優さんが2016年に実施した、
講談社早朝講座「社会人のための使える教養」
を書籍化した本です。

佐藤さんと言えば、元外交官で、
「知の巨人」として知られる作家です。

私も、これまでに何冊も佐藤さんの本を
読んでいて、その知力の凄さについては、
分ったつもりでいました。

しかし、本書では佐藤さんの「本気」の
一面が少しだけ見えて、佐藤さんの知力の
底が知れなさを改めて感じました。

本書は7章構成になっいて、社会人にとって、
直接役立つ教養を学びます。

 第1章 中間管理職のための仕事術
   ― 独断専行の研究
 第2章 ビジネスパーソンのための宗教入門
   ― 国際社会を動かす論理を体得する
 第3章 論理力を鍛える
   ― 論理的思考法の身につけ方
 第4章 教養としての地政学
   ― 国際ニュースの読み方
 第5章 貧困と資本主義
   ― 商品社会のカラクリ
 第6章 ビジネスパーソンのための日本近代史
   ― なぜ学び直さなくてはならないのか
 第7章 武器としての数学
   ― 組織力を高めるために

早朝講座は1回1時間半の限られた
時間での講義でした。

講義では、テーマとする教養を
身につけるための推薦書籍を何冊か挙げ、
その本の中から、いくつかのトピックを
取り上げて解説するスタイルです。

ですから、1から10まで知識を教えてくれる
ような教養講座ではなく、「学び方を知る」
ための講義と言えます。

1つ1つのテーマは、本書の講義を道標として、
少なくとも数ヶ月、標準的には1~2年を
かけて学ぶべきものです。

すべてのテーマを学ぶには、10年ぐらいは
かかる覚悟が必要だと思います。

では、本書で採り上げられているテーマの内、
どのテーマから学ぶべきなのか?

それを決めるためには、佐藤さんが外務省で
研修指導官をやっていた時のエピソードが
参考になります。

当時、佐藤さんは、日本の外交官試験に
合格した2名の研修生をモスクワの
国立高等経済大学に送りました。

しかし、研修生は2名とも「成績不良」で
退学になってしまいました。

愛国心を刺激された佐藤さんは、直接、
モスクワに出向き、何に問題があったのか、
教務部長に問いただしたそうです。

ロシア語に問題があったのかと。

すると、違う、3つあると言われました。

  「1番目は数学です。まず、偏微分方程式が
  まったく解けない。それから線形代数に
  関する知識がないので経済学の専門書を
  読むことができない。2番目は、論理学に
  関する知識が欠けているからディベートが
  できない。3番目は、哲学史に関する知識が
  欠けている。日本人の学生たちは優秀
  だけれども、教育のシステムがかなり
  違うから、そのような大きな穴ができる
  ようなことが起きるのではないか。」

数学はハードルが高いと思う方も多いので、
個人的には、まずは「論理学」から学ぶのが
いいと思います。

この本から何を活かすか?

次の文章のどこに問題があるか指摘してください。

 「吠える犬は弱虫だ。うちのポチはよく吠える。
 だから、うちのポチは弱虫だ。」

これは、本書の第3章「論理力を鍛える」で
推薦書籍として挙げられている野矢茂樹さんの
論理トレーニング101題』に掲載されている
問題です。

この問題では、論理の無前提にされている
ところの前提に気づくことが大切なポイント。

ポチが犬だとは、どこにも書いていません。

だから「吠える犬は弱虫だ」ということと、
「うちのポチはよく吠える」が正しくても、
ポチが犬でなければ、弱虫だとは言えない
ことになります。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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