活かす読書
ikadoku

ビジネス書・ベストセラー本・科学本を中心に13年以上、ひたすら本を紹介し続けるブログ。既に紹介した本は3700冊以上。

知性の磨き方

2017年03月30日
人生論・生き方・人物・哲学 0
満足度★★★
付箋数:21

齋藤孝さんは、「知性は、現代社会を
生き抜いて行く上で必要不可欠なものである」
と言っています。

なぜ、知性は必要なのか?

それは、知性がない状況を考えてみると
わかります。

  「未知の現象や未体験の事態に遭遇したとき、
  知性の乏しい人ほど慌てふためいてしまう
  ものです。その姿を客観的に眺めれば、
  天変地異や悪魔や悪霊の仕業であると思い込み、
  必要以上に恐れてきた、文明以前の人類に
  似ているかもしれません。
  ものごとに対して過度の恐怖を抱いてしまうと、
  人は、それを妄想の中で処理してしまう
  ばかりで、いつまでたっても適切な対処が
  できません。」

知性があると、このような状況になりません。

なぜなら、知性とは、困難な問題や
厳しい現実に直面したときに、その原因が
何であるかを見極める力だからです。

そして、取りうる現実的な選択肢を探り、
実際に行動を起こして、対処する力も
知性なのです。

だから、知性は「生き抜く力」なのです。

では、現代に必要な知性は、
どのようにして磨くことができるのか?

知性を磨くための唯一絶対的な方法が
あるわけではありません。

実際に、様々な知性を磨く方法があります。

しかし、本書で齋藤さんが勧めるのは、
「ロールモデル」を持つ方法です。

実在した人物が、知性を武器に困難な時代を
乗り越えたことを追体験することで、
彼らの思考や行動をケースワーク的に
学ぶことが、最も吸収効率がいいようです。

本書では、5種類の知性をその手本となる
人物と共に紹介します。

そこから自分の気質やスタイルに合った
ロールモデルを選び、知性を磨きます。

5種類の知性と、そのロールモデルは、
以下の通りです。

 1.悩みぬくことで鍛えられる知性
  夏目漱石さん

 2.激変する時代を切り裂く知性
  福澤諭吉さん

 3.肚、身体に宿る知性
  西郷隆盛さん

 4.自我を解き放つ知性
  西田幾多郎さん、

 5.探求する者がつかみとる知性
  柳田国男さん、折口信夫さん

私が、本書で注目したのは、
身体論と結びつく知性の代表として、
誰が挙げられるかという点です。

齋藤さんは、これまで多くの著作で
身体論を説いていましたから、
その実践者として誰をイメージして
いたのかを知りたかったのです。

人間の知性を司る器官はどこか?

こう訊かれれば、ほとんどの人は「脳」と
答えることでしょう。

齋藤さんはそれを否定するわけでは
ありませんが、脳とは別の部位から
発せられる知性もあると考えます。

その部位とは「ヘソの下」。

昔から行動力がある人や、危機に際して
怯まない人のことを「胆力がある」とか、
「肝の太い人」と表現することがあります。

肝とは、ヘソの下にある「臍下丹田」の
ことを指します。

その肚ができている代表として、
齋藤さんが本書で紹介しているのが、
明治維新の英雄、西郷隆盛さんでした。

自分の利害にこだわらない、
誰よりも大きな肚を持った西郷さん。

その胆力は、儒学者・佐藤一斎さんが
著した『言志四録』を繰り返し読み、
血肉化することで培われたようです。

本書では、西郷さんのように、
臍下丹田に気を集中させて、
身体性を持って考え、行動することが
勧められていました。

この本から何を活かすか?

  知性は「理解」することで駆動する。

この理解には、分析的理解と直感的理解の
2種類あります。

分析的理解は、頭で考えてわかる理解です。

一方、直感的理解とは、相手になりきり、
自分の感性をフル稼働させる「憑依型」の
理解です。

どちらの理解のタイプに合うかは、
その人の生得的な気質に左右されるようです。

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この記事を書いた人: ikadoku
毎朝4時に起きて本を読み、13年以上ブログで紹介記事を投稿しています。北海道在住。たまに旅行で長期の休みを取ります。

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