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ikadoku

ビジネス書・ベストセラー本・科学本を中心に13年以上、ひたすら本を紹介し続けるブログ。既に紹介した本は3700冊以上。

インビジブル・インフルエンス 決断させる力

2017年03月24日
経済・行動経済学 0
満足度★★★★
付箋数:24

あなたは、昨日のランチに何を食べましたか?
そして、それを選んだのは誰でしょうか?

何を食べるか、あるいは食べないかは、
当然、「自分」で決断したと思っている人が
多いことでしょう。

しかし、私たちの日々の選択や決断は、
実は自分で気がついていないだけで、
あらゆる場面において「他人」からの影響を
受けています。

この他人から受ける影響のことを
「社会的影響力」と言います。

しかも、他の人が社会的影響力を
受けていることは見えても、
自分のこととなるとそれが見えません。

そのため本書では、見えない影響力、
「インビジブル・インフルエンス」と
呼んでいます。

  「私たちの決断は、99.9%までが他人に
  よって方向づけられており、むしろ他人の
  影響を受けない意思決定や行動を見つける
  ほうがむずかしい。」

本書の著者は、ペンシルベニア大学
ウォートン・スクールのマーケティング
准教授、ジョーナ・バーガーさん。

バーガーさんは、本書で、私たちの行動が
知らず知らずに他人から影響を受けている
決断のメカニズムを明らかにします。

では、私たちは、一体、他人からどのような
影響を受けているのでしょうか?

実は影響する方向は、いくつかあります。

1つ目は、他人に同調する「模倣」の傾向。

私たちは、自分では気づいていなくても、
周囲にいる人の行動を、絶えず、自動的に
写しとって同じことをしています。

それは他人を情報源として利用すれば、
自分の時間と労力が節約できることが
本能的にわかっているからです。

2つ目は、あえて他人と違うものを選ぶ
「差別化」の傾向。

これは、自分は違う、特別なのだと
思いたいことの現れです。

その選択が人のアイデンティティを示す
シグナルになるときに、他人とは違うものを
選びたくなるのです。

3つ目は、反対方向の「模倣」と「差別化」が
組み合わさって、「ほどよく違っている」ことが
好まれる傾向。

人には、親しみの感覚に心地よさを覚える
一方で、同時に目新しさを求める矛盾した
気持ちもあります。

この「ほどよい違い」がヒット商品を生む
ときの秘訣になっています。

4つ目は、他人が与える「モチベーション」
への影響。

まわりに誰かがいることがパフォーマンスを
上げる場合と下げる場合があります。

他者の存在が助けになるか邪魔になるかは、
取り組む課題の複雑さに左右されます。

簡単な課題の場合は、パフォーマンスが
上がり、むずかしい課題の場合は、
パフォーマンスが下がってしまうのです。

また、競争や勝負事では、
自分が遅れをとっている、あるいは負けている
と思うことで、モチベーションは上がります。

ただし、この場合「どの程度」負けているかが
極めて重要です。

頑張れば逆転できる程度の遅れは、
モチベーションを上げ、逆転不可能だと
思える程度の遅れは、モチベーションを
下げてしまいます。

これはサッカーの試合で、前半終了時点で
1点差で負けていたチームの方が、
最後には勝ちやすい(勝確率つ8%上昇)
傾向にも表れています。

本書で示される社会的影響力は、いずれも
何となくそんな傾向はあるのかなと思っていた
ことですが、それが科学的に証明されていて、
非常に興味深く読むことができます。

この本から何を活かすか?

なぜ、トップアスリートはきょうだいの
二番目以降であることが多いのか?

一般的には、年上のきょうだいが
練習相手やライバルになっているからだと、
よく言われます。

もちろん、それは大きな理由の1つです。

本書でバーガーさんが挙げる理由は、
社会的影響力によって「模倣」と「差別化」の
両方が促進されるから。

模倣によって、上のきょうだいと同じ道に
進むことがある一方、あえて別の道を選ぶ
差別化も起こりやすい。

どちらに進むにせよ、きょうだいは常に
比較されるので、社会的影響力を大きく
受けやすい環境にあります。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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この記事を書いた人: ikadoku
毎朝4時に起きて本を読み、13年以上ブログで紹介記事を投稿しています。北海道在住。たまに旅行で長期の休みを取ります。

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