活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

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なぜあなたの予測は外れるのか

満足度★★★★
付箋数:27

販売店が商売をしていく上で、「在庫」は
どうしても持つ必要があります。

ただし、在庫は持ちすぎると、経営が非効率に
なりますし、少なすぎると、せっかくの売上の
機会を逃すことになります。

では、どうすれば適切な在庫を持つことが、
できるのでしょうか?

鍵となるのは、販売予測の精度です。

正確な販売予測を、出すことができれば、
それに基づいて在庫を持てばいいわけです。

しかし、どんなに経験豊富な担当者であっても、
販売予測は正確に当たりません。

なぜなら、人間は変化に直面した際に、
次に挙げるような7つのヒューマンエラーを
起こすからです。

  1. ホワイトノイズ(不規則変動)を知らず、
   軌道修正もない。
  2. 常識に安住したがる。
  3. 「動き」を知りたいのに、 “静止画的発想”
   をする。
  4. 安易な相関や答えありきの理由づけ。
  5. ショック時の過剰反応に気付かない。
  6. 異常を正常にしてしまう。
  7. 間違いに気付かない。

これらのヒューマンエラーを起こさずに、
高い精度で販売予測をする事が可能な技術に
T・AI(Timeseries Artificial Intelligence
=時間の人工知能)があります。

T・AIとは、時間とともに変化する量を扱う
最先端のコンピュータシステムです。

逐次に投入される時系列データ(販売数量、
出荷量)から、瞬時に膨大な計算実行・
指標判定がなされ、最適な生産量・発注量・
在庫量が出力される自動システムです。

このT・AIを用いると、理論値として
70%程度の在庫削減が可能となるため、
最近、大手企業も続々導入し始めています。

本書は、利益を倍増させる最強の統計学、
「T・AI」について解説した本です。

著者は、T・AIの分野の草分け的存在で、
NPO法人ビュー・コミュニケーションズ
副理事長を務める小松秀樹さんです。

ところで、T・AIがどれだけ、時間とともに
変動する諸量を織り込んで計算しても、
やはりピタリと正確な予測はできません。

場合によっては、予測が大きく外れる
ことさえあります。

なぜ、ヒューマンエラーを起こさない
最先端のT・AIを持ってしても、
予想が外れることがあるのか?

それは、あらゆる予測にはホワイトノイズ
(不規則変動)があるからです。

そもそも変化量は、規則変動と不規則変動
から構成されます。

どんなに優秀なT・AIをもってしても
計算できるのは、規則変動のみ。

不規則変動の部分は予測できないので、
どんなに厳密に計算しても、
必ず予測誤差が発生するのです。

ちなみに、変化量におけるホワイトノイズの
割合のことをボラティリティと言います。

しかし、T・AIを用いて在庫数を制御すると、
在庫変動はホワイトノイズ分だけとなり、
無駄な在庫を抱えずに最適化できるのです。

本書では、AI・データサイエンスの新分野、
T・AIについて、実際の実験データを用いて
非常にわかりやすく解説しています。

これからのビジネスにはT・AIは必須であると
思わせる非常に良くできた本です。

個人的には多くのビジネスパーソンに
是非、読んで欲しい本だと思いました。

  第1章 統計的な予測はどれくらい当たるのか
  第2章 常識が正しいとはかぎらない
  第3章 在庫は「時点」ではなく「流れ」で見よ
  第4章 もっともらしい「後付け」理由に
     だまされるな
  第5章 ショック発生! その時どうする?
  第6章 会社の動脈硬化現象
  第7章 間違いに気付かない

この本から何を活かすか?

  「例えば来店客数や気温から販売数量を
  予測するなど回帰分析や相関を用いて
  予測を行うケースをよく見かけます。
  しかし、このような予測は、各変数ごとに
  誤差を持ち、そうした誤差が重なり
  予測誤差を大きくしてしまうので、
  予想結果は現実と大きく異ることが
  頻発します。相関や回帰は分析結果を
  戦略的意思決定に用いるべきで、
  予測には使わないほうがいいのです。」

少し統計をかじると、未来を見通せる
魔法を手に入れたかのような錯覚を
持つ場合があります。

回帰分析などで予測を立てたくなって
しまう人も多いで、注意が必要ですね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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